メキシコ、経済活動・インフレ減速 景気後退不可避の見方も

3月24日、メキシコ国家統計地理情報局(INEGI)が発表した経済活動指数とインフレ率はともに減速し、同国がリセッション(景気後退)に向かっているとの見方が裏付けられた。写真はメキシコのアポダカにある工場で11日撮影(2025 ロイター/Daniel Becerril)
Gabriel Araujo
[24日 ロイター] - メキシコ国家統計地理情報局(INEGI)が24日発表した経済活動指数とインフレ率はともに減速し、同国がリセッション(景気後退)に向かっているとの見方が裏付けられた。中央銀行が今週の会合で利下げを継続するとの見方も強まった。
1月の経済活動指数は前月比0.2%低下、前年比0.1%低下した。
同国の2024年第4・四半期国内総生産(GDP)は約3年ぶりにマイナス成長となっていた。
アナリストはトランプ米政権の二転三転する関税が、既に減速しつつあるメキシコ経済に打撃を及ぼし、景気後退を招く可能性が高いとしている。今年第1・四半期もマイナス成長ならテクニカルリセッションとなる。
JPモルガンは経済活動指数発表を受け、「景気後退は不可避」との見解を示した。消費者物価が経済活動の「軟調な背景」に反応し始めているとし、メキシコ中銀が2会合連続で50ベーシスポイント(bp)の利下げを行うと予想した。
INEGIが発表した3月前半の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年比3.67%に減速し、市場予想も下回った。中銀の目標レンジは2─4%。
パンテオン・マクロエコノミクスの中南米担当チーフエコノミスト、アンドレス・アバディア氏は「金融環境の引き締まりと外部環境の悪化に経済が一段と敏感になっている」とし、「最近の統計はメキシコ中銀が今週の50bpを皮切りに、今後の会合で利下げを継続することを支持している」と述べた。