米政権が鶏卵価格抑制に躍起、ブラジルからの輸入拡大 規制緩和も

3月24日、米国は鳥インフルエンザの感染拡大で鶏卵価格が高騰し、ブラジルからの鶏卵輸入がほぼ2倍に急増した。2023年1月撮影のイメージ写真(2025年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration)
[24日 ロイター] - 米国は鳥インフルエンザの感染拡大で鶏卵価格が高騰し、ブラジルからの鶏卵輸入がほぼ2倍に急増した。トランプ政権は鶏卵の価格抑制を目指しており、規制を緩和して肉用鶏(ブロイラー)の産んだ卵の流通を容認することも検討している。
ブラジル産や肉用鶏の卵が店頭に並ぶことはなさそうだが、アイスクリームなど加工食品用に利用される可能性がある。肉用鶏卵の食用利用には規制の見直しが必要。ただ専門家から食品が有毒なバクテリアに汚染されるリスクがあると不安視する声も出ている。
米国では2022年初め以来、鳥インフルの感染拡大に伴って1億7000羽近くの鶏が殺処分され、鶏卵の卸売り価格は今年2月の上昇率が53.6%に達した。
トランプ政権は2月に、養鶏場での感染防止策などを盛り込んだ10億ドルの鶏卵価格抑制策を発表。トルコやブラジル、韓国などからの鶏卵輸入を促進するとともに、欧州にも米国向けの輸出を増やすよう要請した。
ブラジルの業界団体によると、米国は2月のブラジル産鶏卵輸入が前年同月比で93%増加した。
米食品医薬品局(FDA)はロイターの取材に、肉用鶏の産んだ卵の食用販売を認めるよう求める米鶏肉協議会(NCC)からの要請について検討を行っていると認めた。FDAは2023年に、サルモネラ菌の危険があるとしてNCCからの同様の要請を却下した。
NCCによると、肉用鶏は孵化に適さない卵を毎年3億6000万個ほど産む。一部はワクチン製造に利用されるほか、輸出されたりするが、肉用鶏の養鶏業者は冷蔵施設がFDAの定める安全基準を満たしていないため、大半は破棄されている。