米、韓国を要注意国に 核武装論を警戒

米政府が、韓国を国家安全保障や核不拡散などの観点で注意が必要な「敏感国」に指定していたことが分かった。北朝鮮の脅威を受けて韓国で核武装論が出ていることを踏まえた措置とみられる。2023年8月、日米韓首脳会談が開かれた米キャンプデービッドで撮影(2025年 ロイター/Jim Bourg)
Timothy Gardner David Brunnstrom Ju-min Park
[ワシントン/ソウル 15日 ロイター] - 米政府が、韓国を国家安全保障や核不拡散などの観点で注意が必要な「敏感国」に指定していたことが分かった。北朝鮮の脅威を受けて韓国で核武装論が出ていることを踏まえた措置とみられる。
韓国の指定は、エネルギー省の報道官が14日に明らかにした。バイデン前大統領が今年1月、退任直前に、敏感度が最も低い区分に指定したという。報道官は指定の理由は示さず、科学や技術分野の両国の協力が規制されることはないと説明した。
米エネルギー省のウェブサイトに掲載された2017年の文書によると、国家安全保障、核不拡散、テロリズム支援などの点で注意を要する敏感国には中国、台湾、イスラエル、ロシア、イラン、北朝鮮が含まれる。科学・技術関連の協力は禁止されないが、敏感国への訪問や協力は事前の審査が必要になる。
韓国外務省は、指定を真剣に受け止め、米政府と緊密に連絡を取っていると述べた。「韓米のエネルギー・科学技術協力に悪影響が出ないよう、積極的に交渉していく」と表明した。
韓国では、朝鮮半島有事の際に米国が同盟国として守ってくれるのかと疑念がくすぶる。尹大統領らは以前、核兵器の保有を迫られるとの見解を示した。その後、米の拡大抑止に関する2023年のバイデン前政権との合意により、韓国は核非保有を約束したが、趙泰烈外相は先月、「国際情勢が予測不可能な方向に展開していることを考えると、あらゆる可能性に備えなければならないという原則的な対応だ」と国会で述べた。
非営利団体、軍備管理協会のダリル・キンボール事務局長は、韓国高官の「挑発的」な発言を踏まえると同国には核拡散リスクがあり、敏感国への指定は賢明だとし、「指定によって、韓国が核兵器製造に向けたウラン濃縮や使用済み核燃料の再処理の承認を米国に求める可能性が排除される」と述べた。
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