シリア、アサド前政権支持派への軍事作戦終了と発表

シリア暫定政府の国防当局は10日、西部の湾岸都市でのアサド前大統領の支持派に対する軍事作戦が終了したと発表した。写真は9日、シリアのラタキアで撮影(2025年 ロイター/Karam al-Masri)
[ドバイ 10日 ロイター] - シリア暫定政府の国防当局は10日、西部の湾岸都市でのアサド前大統領の支持派に対する軍事作戦が終了したと発表した。2024年12月のアサド政権崩壊後、治安部隊と前政権支持者間の最大規模の衝突となっていた。
英国を拠点とするシリア人権監視団は、過去2日間の衝突で計1000人以上が死亡したと発表。745人が民間人、125人が治安部隊員、148人が前政権支持派の戦闘員という。
国防当局の報道官はXへの投稿で公共機関は業務を再開したと表明。将来の脅威を取り除くため、引き続き前政権支持者らを掃討する計画があるとも言及した。
シリア暫定政府を主導する旧反体制派「シャーム解放機構(HTS)」の指導者アハマド・シャラア(通称ジャウラニ)氏は9日、衝突を受けて、加害者の責任を追及すると表明した。衝突と殺害について調査する独立委員会の設立も発表されており、国防当局報道官は、調査委員会に全面的に協力すると言及した。
ジャウラニ氏は、近隣諸国の関与に対処しつつ、分裂した国の統一を試みている。今回の戦闘は、イスラム教スンニ派によるアサド政権下で優遇されてきた支持派に対する殺害行為に発展し、以前の政府高官や軍幹部も多数が対象に含まれていた。
アサド政権の崩壊後、トルコが支援する組織とシリア北東部におけるクルド人勢力が対立している。情報筋はロイターに、イスラエルはシリアの軍事施設を攻撃し、シリアの弱体化のために米国に働きかけていると語った。