HSBC、米国株の投資判断「中立」に引き下げ 欧州株は引き上げ

金融大手HSBCは10日、米関税措置を巡る不透明感を要因として米国株の投資判断を「中立」に引き下げた。2024年10月撮影(2025年 ロイター/Hollie Adams)
[10日 ロイター] - 金融大手HSBCは10日、米関税措置を巡る不透明感を要因として米国株の投資判断を「中立」に引き下げた。一方、ドイツの財政規律緩和の動きを受けて、英国株を除く欧州株を「アンダーウエイト」から「オーバーウエイト」に引き上げた。
トランプ米政権による貿易政策などに関する大きな動きで不確実性が高まっている。欧州での1兆2000億ドル規模の財政出動案や、技術開発競争における中国の台頭を受け、米国から投資家の資金が流出する転換点となる可能性がある。
貿易戦争によって企業収益が下振れし、成長が鈍化するのではないかとの懸念から、代表的な米国株指数、S&P総合500種指数は2月19日に最高値を更新して以降、約6.1%下落した。
HSBCのグローバル株式ストラテジスト、アラステア・ピンダー氏は「米国株にはネガティブな見方をしていないが、現時点では他地域の方がより有望だ」と指摘した。
モルガン・スタンレーの株式ストラテジスト、マイケル・ウィルソン氏は、S&P500が今年半ばまでにさらに5%程度下落して5500ポイントまで落ち込む可能性があると指摘。「この先不安定な展開となる可能性が高い」としながらも、年末には直近の終値から12.7%上昇となる6500ポイント前後を付けるとの見方を示している。