ベトナム、スターリンクに歩み寄り 米関税巡る懸念で=関係筋
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2月18日、ベトナム政府は規制を緩和し、米宇宙企業スペースXがベトナムで完全子会社を通じて衛星通信サービス「スターリンク」を提供できるようにする方針であることが明らかになった。写真は2022年5月、フロリダ州ケープカナベラルから打ち上げられる、スターリンクを搭載したロケット(2025年 ロイター/Joe Skipper)
Francesco Guarascio Phuong Nguyen
[ハノイ 18日 ロイター] - ベトナム政府は規制を緩和し、米宇宙企業スペースXがベトナムで完全子会社を通じて衛星通信サービス「スターリンク」を提供できるようにする方針であることが明らかになった。
新たな規制案によると、2030年末までの試験制度の下で、低軌道衛星ネットワークによるインターネットサービス企業を外資が100%保有することを認める。
この条項は「科学、技術、イノベーション活動における障害を取り除く」ことを求める決議に含まれ、19日の臨時国会で採択される見通し。
スペースXを率いるイーロン・マスク氏はベトナム市場への参入に向けて、完全子会社によるサービス提供を求めていた。しかし、政府は外国企業による衛星インターネットサービス会社の支配を禁止する規制を解除しなかったため、交渉は2023年終盤に行き詰った。
関係筋は方針転換について、トランプ米大統領が関税を課すことを懸念する政府がスペースXに「和解のシグナル」を送ったとの見方を示した。「トランプ政権が望めば、ベトナム側は取引による外交ゲームを行うことができるという意思表示だ」と語った。
多くの企業や個人がスターリンクに加入すれば、ベトナムの高水準の対米貿易黒字の削減につながるとの見方を示した。