ルーマニア大統領、辞任表明 野党側の弾劾回避狙い
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ルーマニアのヨハニス大統領(写真)は10日、5月のやり直しの大統領選の実施を待たずに辞任すると明らかにした。2024年11月撮影(2025年 ロイター/Bernadett Szabo)
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[ブカレスト 10日 ロイター] - ルーマニアのヨハニス大統領は10日、5月のやり直しの大統領選の実施を待たずに辞任すると明らかにした。有権者の支持を背景に勢力を拡大する極右系の野党による、弾劾の動きを回避するのが狙い。
2024年に実施された大統領選の第1回投票では、無名に近かった極右で北大西洋条約機構(NATO)に批判的なカリン・ジョルジェスク氏が首位となった。ただ、ロシアによる選挙介入疑惑を踏まえ、ルーマニアの憲法裁判所は第1回投票の結果を無効とする判断を下した。このため、24年12月21日までだったヨハニス氏の任期が、今年5月のやり直し選挙で後継者が選出されるまで延長されていた。
一方、議会の約35%を占める野党3党は、親欧州を掲げる与党側の汚職疑惑を受け、ヨハニス氏の弾劾を求める動議を提出していた。ヨハニス氏は支持が低迷しており、専門家らは与党側の一部の議員が弾劾に対して賛成する可能性があると指摘していた。
ヨハニス氏は記者団に弾劾要求に関して「国内外に影響が及ぶ」とし、「無用な危機を避けるため大統領職を辞任する」と述べた。上院議長が限定的な権限を持つ暫定大統領を務めることになる。
ジョルジェスク氏は有権者からなお高い人気を集めているものの、別の極右政治家に対しては大統領選への出馬を禁じる司法判断が出ており、やり直しの大統領選に出馬できるかどうかは明らかになっていない。