ニュース速報
ワールド

ウクライナ大統領側近、米特使の「停戦と選挙」だけの要望に異論

2025年02月03日(月)07時48分

ウクライナのゼレンスキー大統領側近のドミトロ・リトビン氏は2月2日、ウクライナがロシアとの停戦後、大統領・議会選を実施するようトランプ米政権から要望されたことを巡り「うまくいきそうにない計画」だとの見方を示した。写真はロシア軍のミサイルに破壊された集合住宅での救助活動。1日、ポルタバで撮影(2025年 ロイター/Sofiia Gatilova)

Tom Balmforth

[キーウ 2日 ロイター] - ウクライナのゼレンスキー大統領側近のドミトロ・リトビン氏は2日、ウクライナがロシアとの停戦後、大統領・議会選を実施するようトランプ米政権から要望されたことを巡り「うまくいきそうにない計画」だとの見方を示した。

トランプ政権でウクライナ・ロシア担当特使を務めるキース・ケロッグ氏はロイターに、特にウクライナが数カ月中にロシアと停戦合意できるようなら、米国としては年内に選挙を実施してほしいと語った。

ウクライナは戦時を理由に選挙を停止中。ロシア側は、任期が切れているゼレンスキー氏には停戦合意に署名する資格はないと主張している。

これに対してゼレンスキー氏の広報担当顧問を努めるリトビン氏は、ケロッグ氏の断片的な発言を聞いただけなのでその立場を完全に把握することは難しいと断りつつ「彼の計画が停戦と選挙という構成だけであれば、失敗する計画だ。(ロシアの)プーチン大統領はこれら2つの要素だけでは決して怖じ気づかない」とロイターに書面で回答した。

ウクライナはこれまで繰り返し、ロシアが再び軍事侵攻するのを防止する安全保障の枠組みを獲得できない限り、停戦に応じたくないとの意向を示してきた。

一方でウクライナは、トランプ大統領が掲げる「力を通じた平和」の方針を評価。リトビン氏は、トランプ氏が先のゼレンスキー氏との会談でプーチン氏に対してどのような実効的な圧力をかけられるかなどに言及した点を指摘し、今後は関係者間で戦争を終わらせて恒久的な平和を確保するための具体策に関する速やかな取りまとめ作業が大事になると強調した。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

独VW、トランプ関税巡り貿易摩擦回避に向けた協議に

ワールド

トランプ氏、南アへの資金援助を全面的に停止へ 投稿

ビジネス

今後、円安進行や金融の過熱回避の観点から政策調整必

ワールド

米原油先物が大幅高、トランプ関税受け貿易戦争や供給
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ革命
特集:トランプ革命
2025年2月 4日号(1/28発売)

大統領令で前政権の政策を次々覆すトランプの「常識の革命」で世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」を予防するだけじゃない!?「リンゴ酢」のすごい健康効果
  • 2
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    足の爪に発見した「異変」、実は「癌」だった...怪我…
  • 5
    メーガン妃からキャサリン妃への「同情発言」が話題…
  • 6
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 7
    「靴下を履いて寝る」が実は正しい? 健康で快適な睡…
  • 8
    トランプ「関税戦争」を受け、大量の「金塊」がロン…
  • 9
    マイクロプラスチックが「脳の血流」を長期間にわた…
  • 10
    「やっぱりかわいい」10年ぶり復帰のキャメロン・デ…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 4
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 5
    緑茶が「脳の健康」を守る可能性【最新研究】
  • 6
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 7
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 8
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 9
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 10
    「靴下を履いて寝る」が実は正しい? 健康で快適な睡…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 5
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 9
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 10
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中