ニュース速報
ワールド

米大統領が学校選択拡充命令、「反米的」教育への連邦予算停止

2025年01月30日(木)12時04分

 1月29日、トランプ米大統領は、教育分野に関係する2つの大統領令に署名した。写真は米ノースカロライナ州 で24日撮影(2025 ロイター/Leah Millis)

Helen Coster

[29日 ロイター] - トランプ米大統領は29日、教育分野に関係する2つの大統領令に署名した。それぞれ学校選択制度の拡充と、人種やジェンダーについての「反米的」思想を含む教科への連邦予算拠出の差し止めが主な内容で、いずれもトランプ氏が選挙中から掲げてきた広範な教育改革の一環だ。

1つ目の命令は、各州が学校を「選択できる取り組み」を支援するために連邦予算をどう使うかを巡り、教育省に指針を出すよう指示している。

トランプ氏は「両親が(学校を)選び、子どものしつけや教育の方向付けをするのを手助けするのが政権の政策だ。幼稚園から高校までの12年間、指定された公立学校でうまくやれていない子どもが多過ぎる」と説明した。

多くの民主党員や教員の労組などは、学校選択制度拡充は公教育の崩壊につながりかねないと反論している。

2つ目の命令は「ジェンダーと不公平性のイデオロギー」に関する教科や教員認定などに連邦予算を振り向けるのを止める狙いがある。

命令は「両親たちが学校で目撃しているのは、子どもが過激で反米的なイデオロギーに洗脳され、親の監督を意図的に阻止している光景だ」と記したほか、「白人の優越」や「無意識の偏見」が存在し、それが人種差別や国家の一体性を損なっているとの考えを、教師が生徒らに黙って認めるよう要求している、と具体的な証拠なしで指摘した。

こうした命令には、奴隷制度と有色人種への差別という米国の歴史を理由に、自分や先祖を恥じるべきだと子どもたちが教えられている、というトランプ氏や側近らが唱えてきた主張が背景にある。

保守派から攻撃されているのは、構造的な人種差別について教える「批判的人種理論(CRT)」と呼ばれるプログラム。保守派はあまりに左派的で人種差別に偏り過ぎた米国史の捉え方だと批判している。

一方CRTの支持派は、不平等解消には構造的な人種差別の理解が不可欠だと訴えている。

トランプ氏は先週の就任演説でも「子どもに自分たちを恥じ、多くのケースで祖国を嫌うよう教えられている」と現在の教育制度を批判した。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

仏極右ルペン氏、トランプ米大統領の強制送還巡る強硬

ビジネス

米12月中古住宅仮契約指数5.5%低下、4カ月連続

ビジネス

ECB当局者、3月追加利下げに異論なしの公算=関係

ワールド

米旅客機衝突墜落事故、死者60人超か 生存者なしの
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ革命
特集:トランプ革命
2025年2月 4日号(1/28発売)

大統領令で前政権の政策を次々覆すトランプの「常識の革命」で世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 3
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望している理由
  • 4
    東京23区内でも所得格差と学力格差の相関関係は明らか
  • 5
    ピークアウトする中国経済...「借金取り」に転じた「…
  • 6
    空港で「もう一人の自分」が目の前を歩いている? …
  • 7
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 8
    トランプのウクライナ戦争終結案、リーク情報が本当…
  • 9
    世界一豊かなはずなのに国民は絶望だらけ、コンゴ民…
  • 10
    トランプ支持者の「優しさ」に触れて...ワシントンで…
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果が異なる【最新研究】
  • 3
    緑茶が「脳の健康」を守る可能性【最新研究】
  • 4
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 5
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 6
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 7
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 8
    煩雑で高額で遅延だらけのイギリス列車に見切り...鉄…
  • 9
    日鉄「逆転勝利」のチャンスはここにあり――アメリカ…
  • 10
    軍艦島の「炭鉱夫は家賃ゼロで給与は約4倍」 それでも…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 6
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 7
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 8
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 9
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 10
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中