米判事、議会襲撃巡る恩赦を批判 「修正主義的神話」反映
1月22日、2021年1月6日の連邦議会議事堂襲撃事件に関連する多くの刑事裁判を担当したワシントン連邦地裁のハウエル判事は、トランプ大統領が同事件で起訴されたほぼ全員に恩赦を与えたことについて、事件を巡る「修正主義的神話」を反映していると批判した。写真は、拘置所から釈放され、抱き合って歌を歌う人々。同日、ワシントンで撮影(2025年 ロイター/Jim Urquhart)
Andrew Goudsward
[ワシントン 22日 ロイター] - 2021年1月6日の連邦議会議事堂襲撃事件に関連する多くの刑事裁判を担当したワシントン連邦地裁のハウエル判事は22日、トランプ大統領が同事件で起訴されたほぼ全員に恩赦を与えたことについて、事件を巡る「修正主義的神話」を反映していると批判した。
判事は議事堂襲撃に関与したとされる2人の被告に対する起訴を棄却するに当たり、トランプ氏が言及した恩赦の理由は誤っていると指摘。
「支持する候補が選挙で敗れた敗者が憲法で定められた議会の手続きを妨害し、責任を問われることなくそれを行ったと美化される状況では、『国民和解のプロセス』は始まらない」とし、「他の敗者による将来の無法行為の危険を高め、法の支配を弱体化させるだけだ」と批判した。
トランプ氏は就任初日の20日、同事件で暴動に関与したとして起訴された約1590人のうち14人を除く全員に恩赦を与えた。
ワシントンの連邦判事の大半は、恩赦を受けて検察が求めた起訴取り下げに対し意見を述べることなく請求を認めたが、ハウエル判事は恩赦で示された「修正主義的神話を放置することはできない」と強調した。