米国務長官が最後の記者会見 ガザでの戦闘を巡り非難浴びる
1月16日、退任を控えたブリンケン米国務長官の最後の記者会見が首都ワシントンの国務省で開かれた。パリで9日、代表撮影(2025年 ロイター)
[ワシントン 16日 ロイター] - 退任を控えたブリンケン米国務長官の最後の記者会見が16日に首都ワシントンの国務省で開かれた。停戦で合意したパレスチナ自治区ガザでの戦闘に関し、米国によるイスラエル支援を率直に批判する数人のジャーナリストが大声で非難し、退場させられた。
米国の世界に対するアプローチを長年批判してきたフリージャーナリスト、サム・フセイニ氏は、オランダ・ハーグにある国際司法裁判所(ICJ)を念頭に「犯罪者め、なぜハーグにいないんだ」と叫んだ。ブリンケン氏を罵倒し続けたフセイニ氏は、警備員によって記者会見場から強引に引っ張り出された。
イスラエルの集計によると、イスラム組織ハマスはイスラエルを襲撃した2023年10月7日に1200人が死亡し、約250人が人質に取られた。地元の保健当局によると、その後のイスラエルによるガザへの攻撃で4万6000人を超えるパレスチナ人が死亡した。
米国の外交政策の多くを強く批判しているメディア「グレイゾーン」の編集者、マックス・ブルメンソル氏はブリンケン氏に対して「昨年5月に合意したのに、なぜ爆弾を投下し続けたのか」と批判し、退場させられた。
ガザでの戦闘が始まって以来、ブリンケン氏はワシントンで頻繁に罵声を浴びせられてきた。ワシントン近郊のバージニア州の自宅前には数カ月間にわたってデモ隊が陣取り、ブリンケン氏と家族を乗せた車へ血に見立てた赤いペンキを何度も投げ付けた。
イスラエルとの合意に関して何か変更することがあるかどうかを尋ねられたブリンケン氏は、イスラエル政府は「(23年)10月7日の出来事の後、イスラエル人の圧倒的多数に基本的に支持された」政策を実行してきたとし、それを米国の対応に織り込む必要があったと訴えた。
また、ハマスが民間人の中に紛れ込んでいるため、バイデン政権は国際法違反となりうる個々の事件について最終的な判断を下すことができなかったと弁明。その上で「イスラエルでは何百件もの事件が調査されている」とし、「彼らにはプロセスがあり、法の支配がある(中略)それこそが民主主義の特徴だ」と語った。
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