石油タンカー、チャーター料金が上昇 対ロ制裁やアジア需要で
石油タンカーの供給逼迫見通しが広がり、チャーター料金が一段と上昇している。大型石油タンカー(VLCC)の中東―中国航路などでは料金指数「ワールドスケール(WS)」が70台に達した。石油産業関係者らは15日、米政府によるロシア船団に対する制裁強化や、中東産原油のアジア向けタンカー需要がトレーダーの間で高まっていることが背景にあると指摘した。写真はジブラルタル沖を航行する石油タンカー。2019年7月撮影(2025年 ロイター)
Florence Tan
[シンガポール 15日 ロイター] - 石油タンカーの供給逼迫見通しが広がり、チャーター料金が一段と上昇している。大型石油タンカー(VLCC)の中東―中国航路などでは料金指数「ワールドスケール(WS)」が70台に達した。石油産業関係者らは15日、米政府によるロシア船団に対する制裁強化や、中東産原油のアジア向けタンカー需要がトレーダーの間で高まっていることが背景にあると指摘した。
船舶ブローカーによると、英石油大手シェルは14日、最大200万バレルの石油を積載可能なVLCC3隻をワールドスケール70でチャーターした。2月上旬に中東産原油を積み込むためだ。中国の石油精製企業、盛虹石化集団も同時期に同価格でVLCC2隻をチャーターした。
また、同ブローカーによると、トレーダーらがサウジアラビア産原油を積載するタンカーの確保の動きに拍車をかけると予想されており、料金は一段と上昇する可能性がある。
チャーター関連データによると、中国国際石油化工連合(UNIPEC)は10日以降、中東から中国に原油を輸送するタンカー23隻をチャーターした。15日には追加で10隻を確保した。
海運関係者の話では、TD3Cとして知られる中東―中国航路のタンカー需要は旺盛で、VLCCチャーター料金は15日、前日比10.75WS高の70.45WSを付けた。これは15%の値上がり率に相当し、TD3CでVLCCをチャーターするコストは410万ドルに上昇した。
他の航路の料金も同様に高くなっており、中東―シンガポール航路のVLCC料金は10.45WS高の71.80WS、西アフリカ―中国は9.23WS高の70.67WSだった。また、米国のメキシコ湾岸から中国への原油輸送は1航海当たりで14日の価格よりも189万5000万ドル高い871万5000ドルとなる見通しという。
ある海運企業幹部によると、ロシアのエスポ(ESPO)ブレンド原油を太平洋沿岸の極東コズミノ港から中国へ輸送するアフラマックス・タンカーのチャーター料金は、前週の5倍に当たる600万―650万ドルの価格帯になった。 あるトレーダーによると、船主はその後、貸し出し希望価格を800万ドルに引き上げたという。
SSYタンカーズと取引筋のデータでは、ガソリンや軽油、ジェット燃料など石油精製品を輸送する「プロダクトタンカー」のチャーター料金も上昇しており、今週初めと比較すると約10%高い水準となった。
SSY価格データによると、韓国から東南アジアへ石油精製品約4万トンを輸送するコストは年初に48万ドルだったが、足元では68万5000ドルに大幅上昇している。
シンガポールを拠点とする情報筋は、約4万トンの石油精製品が輸送可能なプロダクトタンカーのMR船に対し米国が新たな制裁を課したため、チャーター料金が一段と上がったと話した。
こうした輸送コストと中東産原油のスポットプレミアム(現物取引価格への上乗せ分)が高騰しており、アジアの石油精製業者は利益が圧迫されている。LSEGのデータによると、地域指標となるシンガポールの複合精製マージンは米政府の制裁発表前の9日は1バレル当たり4.69ドルだったが、直近では1.17ドルに大きく縮小した。
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