ニュース速報
ワールド

24年平均気温、産業革命以前から初の1.5度超上昇=EU機関

2025年01月11日(土)02時42分

欧州連合(EU)の気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス(C3S)」は10日、2024年の地球の平均気温が産業革命以前よりも1.6度高く、初めて1.5度を超えたことを確認した。写真はロス近郊で発生した山火事。9日撮影(2025年 ロイター/Ringo Chiu)

[ブリュッセル 10日 ロイター] - 欧州連合(EU)の気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス(C3S)」は10日、2024年の地球の平均気温が産業革命以前よりも1.6度高く、初めて1.5度を超えたことを確認した。

C3Sのカルロ・ブオンテンポ所長は24年の各月が観測開始以来、最も暖かいかもしくは2番目に暖かい月だったと説明した。24年は観測開始以来、最も気温が高かった。過去10年で見ても、最も気温の高い10年だった。C3Sは気候変動によって地球の気温が現代では経験したことのない水準まで上昇していると指摘した。

化石燃料の燃焼による二酸化炭素排出が気候変動の主要因だ。各国政府は15年のパリ協定に基づき、より深刻な気象災害を回避するため、平均気温が1.5度を超えないよう努力することで合意した。ただこうした対応への政治的意思は一部の国々で弱まっている。20日に就任するトランプ次期米大統領は、気候変動をでっち上げだと主張している。

気候変動の影響は広がりを見せており、24年にボリビアとベネズエラでは大規模な火災が起こったほか、スーダンやスペインは大洪水に見舞われた。メキシコとサウジアラビアでは熱波のため数千人が死亡した。最近発生した米カリフォルニア州ロサンゼルス近辺での山火事でも少なくとも10人の死者を出し、1万棟近くが焼失した。

英イースト・アングリア大学の気候科学者マシュー・ジョーンズ氏は、気候変動の根本原因への取り組みが遅々として進まなければ、火災が発生しやすいような気象状況は増え続けると指摘した。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=下落、雇用統計受けインフレ懸念が再燃

ビジネス

米12月雇用25.6万人増、予想上回る 失業率は4

ビジネス

米デルタ航空、25年の利益も好調と予想 株価11%

ビジネス

米利下げ時期予想後ずれ、BofAは利上げも想定 雇
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:中国の宇宙軍拡
特集:中国の宇宙軍拡
2025年1月14日号(1/ 7発売)

軍事・民間で宇宙覇権を狙う習近平政権。その静かな第一歩が南米チリから始まった

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ロシア兵を「射殺」...相次ぐ北朝鮮兵の誤射 退却も阻まれ「弾除け」たちの不満が爆発か
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」
  • 3
    トランプさん、グリーンランドは地図ほど大きくないんです
  • 4
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 5
    古代エジプト人の愛した「媚薬」の正体
  • 6
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀…
  • 7
    装甲車がロシア兵を轢く決定的瞬間...戦場での衝撃映…
  • 8
    悲報:宇宙飛行士は老化が早い
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 1
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分からなくなったペットの姿にネット爆笑【2024年の衝撃記事 5選】
  • 2
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵の遺族を待つ運命とは? 手当を受け取るには「秘密保持」が絶対
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」
  • 4
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 5
    ロシア兵を「射殺」...相次ぐ北朝鮮兵の誤射 退却も…
  • 6
    装甲車がロシア兵を轢く決定的瞬間...戦場での衝撃映…
  • 7
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 8
    仮想通貨が「人類の繁栄と自由のカギ」だというペテ…
  • 9
    トランプさん、グリーンランドは地図ほど大きくない…
  • 10
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 1
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 2
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊」の基地で発生した大爆発を捉えた映像にSNSでは憶測も
  • 3
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 4
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 5
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 6
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 7
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 8
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いす…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中