ニュース速報
ワールド

ロス山火事、一部で拡大抑制も鎮火に至らず 再び強風予報も

2025年01月10日(金)14時02分

米カリフォルニア州ロサンゼルス近郊の山火事は、一部地域で拡大が阻止されつつあるものの、強風が続く中、鎮火率は依然0%のままとなっている。9日、ロサンゼルスのパシフィックパリセーズ地区で撮影(2025年 ロイター/Daniel Cole)

Jorge Garcia

[ロサンゼルス 9日 ロイター] - 米カリフォルニア州ロサンゼルスを東西から襲う2つの大規模な山火事は発生から3日目となる9日夜、これまでの強風が弱まったことで一部で拡大が抑制されつつあるが、なお鎮火には至っていない。

市西部のサンタモニカとマリブのビーチタウンに挟まれ、映画、テレビ、音楽のスターが暮らすパシフィックパリセーズ地区と東部のイートン地区ではこれまでに約137平方キロが焼失し、1万戸近い住宅や建物が焼き払われた。ロサンゼルス史上最悪の自然災害となっている。

当局者によると、これまでに少なくとも7人が死亡。死者数は今後増加するとみられている。約18万人に避難命令、20万人に避難警報が出ている。

ロサンゼルス郡消防当局は、火の勢いがイートン地区では大幅に食い止められたが、鎮火率はなおゼロだと述べた。猛烈な風はやや弱まり、空からの消火作業が可能となっているが、予報では再び風が強まる恐れがあるという。

バイデン大統領はこの日、連邦政府が山火事の対応費用を180日間にわたり100%負担すると表明した。

気象予報会社アキュウェザーは、被害額と経済損失額を1350億─1500億ドルと見積もっている。

一方、消防当局は9日夜、著名な観光地のチャイニーズ・シアターやハリウッド・ウォーク・オブ・フェームがあるハリウッド地区とハリウッドヒルズ地区で発生した火事を抑え込んだ。

ロサンゼルスのカレン・バス市長は同日正午ごろ、同地区の火災は鎮火したと発表。当局によると、現場で全焼した建物はなく、避難命令も解除された。

多くのセレブも避難を余儀なくされている。俳優でコメディアンのビリー・クリスタルさんは、パシフィックパリセーズ地区の自宅が焼失したと明らかにした。タレントのパリス・ヒルトンさんも、マリブの海辺にある自宅が「生放送で全焼するのを見た後、言葉にならないほど心が痛んだ」と語った。

また、俳優のジェイミー・リー・カーティスさんは家族で救援活動に100万ドルを寄付すると発表した。

このほか、米プロバスケットボール協会(NBA)は、ロサンゼルスで9日に予定されていたレーカーズとホーネッツの試合を延期すると発表した。ESPNによると、レーカーズのヘッドコーチを務めるJJ・レディック氏も、火災でパシフィックパリセーズ地区の自宅を失ったという。 

トランプ次期大統領は9日、いずれも民主党のバス市長とニューサム州知事の山火事への対応を巡り「無能極まりない」と投稿し、同州の水資源管理などを批判した。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

UBS、米司法省と和解間近 クレディ・スイス脱税ほ

ワールド

ロス山火事、保険損失200億ドル超も JPモルガン

ワールド

ロス山火事、一部で拡大抑制も鎮火に至らず 再び強風

ビジネス

米テスラ、中国で新型モデルY発売 シェア奪還へデザ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:中国の宇宙軍拡
特集:中国の宇宙軍拡
2025年1月14日号(1/ 7発売)

軍事・民間で宇宙覇権を狙う習近平政権。その静かな第一歩が南米チリから始まった

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分からなくなったペットの姿にネット爆笑【2024年の衝撃記事 5選】
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」
  • 3
    装甲車がロシア兵を轢く決定的瞬間...戦場での衝撃映像に「弾薬が尽きていた」とウクライナ軍
  • 4
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 5
    トランプさん、グリーンランドは地図ほど大きくない…
  • 6
    仮想通貨が「人類の繁栄と自由のカギ」だというペテ…
  • 7
    「ポケモンGO」は中国のスパイ? CIAの道具?...大人…
  • 8
    大河ドラマ『べらぼう』が10倍面白くなる基礎知識! …
  • 9
    古代エジプト人の愛した「媚薬」の正体
  • 10
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 1
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵の遺族を待つ運命とは? 手当を受け取るには「秘密保持」が絶対
  • 2
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分からなくなったペットの姿にネット爆笑【2024年の衝撃記事 5選】
  • 3
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流行の懸念
  • 4
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 5
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 6
    装甲車がロシア兵を轢く決定的瞬間...戦場での衝撃映…
  • 7
    仮想通貨が「人類の繁栄と自由のカギ」だというペテ…
  • 8
    ザポリージャ州の「ロシア軍司令部」にHIMARS攻撃...…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    「日本製鉄のUSスチール買収は脱炭素に逆行」買収阻…
  • 1
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 2
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊」の基地で発生した大爆発を捉えた映像にSNSでは憶測も
  • 3
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 4
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 5
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 6
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
  • 9
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼ…
  • 10
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中