ニュース速報
ワールド

米LNGの輸出再開、トランプ氏側近は粘り強い取り組みを進言

2025年01月08日(水)14時28分

 1月7日、トランプ次期米大統領(写真)は就任後に液化天然ガスの輸出再開に向けて即座に行動する決意を示しているが、トランプ氏の政策アドバイザーは輸出再開の拙速な承認が裁判で覆されることを恐れ、粘り強い態度で臨むべきだとトランプ氏に働きかけている。ニューヨークで2024年4月撮影(2025年 ロイター)

Jarrett Renshaw Timothy Gardner

[7日 ロイター] - トランプ次期米大統領は就任後に液化天然ガス(LNG)の輸出再開に向けて即座に行動する決意を示しているが、トランプ氏の政策アドバイザーは輸出再開の拙速な承認が裁判で覆されることを恐れ、粘り強い態度で臨むべきだとトランプ氏に働きかけている。消息筋2人が明らかにした。

バイデン大統領は選挙戦でLNG輸出の新規許認可を凍結。環境保護団体からの圧力を受けて昨年1月、LNG業界について報告書をまとめるよう政府機関に指示していた。許認可が一時的に停止されたことで米南部ルイジアナ州などのLNG開発プロジェクトに遅れが生じている。

トランプ氏はバイデン政権のLNG政策を転換し、今月20日の大統領就任初日にLNG関連の大統領令を出す考えを明らかにしている。しかし消息筋によると、アドバイザーは政治的な緊急性と長引く法廷闘争による影響を天秤にかけており、まだ大統領令の具体的な内容が議論されている段階だという。

バイデン政権は昨年12月に公表したLNG開発に関する報告書で、米国産LNGが二酸化炭素(CO2)排出量の少ないエネルギー源の代わりに使われ、石炭の少量が減らなければ、気候変動問題が悪化する恐れがあると指摘した。

アドバイザーはバイデン政権の報告書を素通りするのではなく正面から取り上げ、意見公募の機会を利用して報告書の主要な項目について反論を展開するようトランプ氏に促している。

意見公募は今年2月18日に期限を迎えるが、アドバイザーは期間を延長して報告書の問題点を指摘し、輸出承認の際に起こされるかもしれない訴訟を阻止すべく時間稼ぎをすることも検討している

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、トランプ氏関税巡る報道で米

ビジネス

米国株式市場=ほぼ横ばい、指標やトランプ関税巡る報

ビジネス

FOMC参加者、インフレリスク高まり指摘 次期政権

ワールド

ロシア、ウクライナ南部ザポロジエを誘導爆弾で攻撃 
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:中国の宇宙軍拡
特集:中国の宇宙軍拡
2025年1月14日号(1/ 7発売)

軍事・民間で宇宙覇権を狙う習近平政権。その静かな第一歩が南米チリから始まった

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵の遺族を待つ運命とは? 手当を受け取るには「秘密保持」が絶対
  • 2
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分からなくなったペットの姿にネット爆笑【2024年の衝撃記事 5選】
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」
  • 4
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 5
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 6
    仮想通貨が「人類の繁栄と自由のカギ」だというペテ…
  • 7
    マクドナルド「多様性目標」を縮小へ...最高裁判決の…
  • 8
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 9
    真の敵は中国──帝政ロシアの過ちに学ばない愚かさ
  • 10
    日本の「人口減少」に海外注目...米誌が指摘した「深…
  • 1
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流行の懸念
  • 2
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵の遺族を待つ運命とは? 手当を受け取るには「秘密保持」が絶対
  • 3
    早稲田の卒業生はなぜ母校が「難関校」になることを拒否したのか?...「アンチ東大」の思想と歴史
  • 4
    ザポリージャ州の「ロシア軍司令部」にHIMARS攻撃...…
  • 5
    青学大・原監督と予選落ち大学の選手たちが見せた奇跡…
  • 6
    「日本製鉄のUSスチール買収は脱炭素に逆行」買収阻…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 9
    空腹も運転免許も恋愛も別々...結合双生児の姉妹が公…
  • 10
    真の敵は中国──帝政ロシアの過ちに学ばない愚かさ
  • 1
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 2
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊」の基地で発生した大爆発を捉えた映像にSNSでは憶測も
  • 3
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 4
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼ…
  • 5
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 6
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 7
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達し…
  • 8
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
  • 9
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
  • 10
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いす…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中