ニュース速報
ワールド

ベトナム24年成長率7.09%に加速、輸出や海外投資が寄与

2025年01月06日(月)16時36分

 ベトナム統計総局が6日発表した2024年の国内総生産(GDP)は7.09%増の4763億ドルだった。写真はハイズオン省の陶器工場で2020年7月撮影(2025年 ロイター)

Khanh Vu Phuong Nguyen

[ハノイ 6日 ロイター] - ベトナム統計総局が6日発表した2024年の国内総生産(GDP)は7.09%増の4763億ドルだった。好調な輸出や海外投資の流入により、23年(5.05%増)を上回る伸びを達成した。

第4・四半期の成長率は7.55%で、四半期としては過去2年で最高となった。

昨年は大型台風の到来で被害を受けたが世界的な消費回復が寄与した。

統計総局のグエン・ティ・フオン局長は会見で、「自然災害を含む困難の中で前向きな結果で25年の成長に向けた良い基盤となった」と述べた。

統計総局によると24年の輸出は前年比14.3%増の4055億3000万ドル。電子機器、スマートフォン、衣料品、農産物がけん引した。

輸入は16.7%増の3807億6000万ドルで、貿易黒字は247億7000万ドルとなった。

政府が電力不足の再発を避けるために発電用石炭の輸入を増やしたことも24年成長率の回復に寄与した。24年の石炭輸入量は前年比24.8%増の6380万トン。同年の発電量は9.6%増の2933億キロワット時。

24年の外国からの投資流入額は9.4%増の253億5000万ドル。

24年の消費者物価は平均上昇率は3.63%、工業生産高は8.4%増加した。

ベトナム政府の今年の成長率目標は6.5─7.0%。ファム・ミン・チン首相は先月、8.0%成長を目指すと述べた。

統計総局のフオン局長は「今後、ベトナムは金融政策を積極的に監視し、為替レートを安定させ、有力貿易相手国を注意深く注視し、タイムリーな政策をとる」と述べた。さらにトランプ次期米政権の政策を懸念しているとし、「トランプ氏が大統領に就任すれば彼のメッセージはより明確になる。トランプ政権下での変化に備えるつもりだ」と述べた。

オックスフォード・エコノミクスは6日付のノートで、今年のベトナムの成長率を6.5%と予想したがサービス輸出の勢いが鈍っているようだと指摘。「前向きな成長データにもかかわらず、銀行・不動産セクターからの試練が続いており信用の伸びはトレンドを下回っている」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米12月ISM非製造業総合指数54.1に上昇、投入

ビジネス

英30年債利回り5.246%、98年以来の高水準

ワールド

インドの24年度GDP6.4%増見通し 4年ぶり低

ビジネス

米求人件数、11月は予想上回る増加 採用減は労働市
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:中国の宇宙軍拡
特集:中国の宇宙軍拡
2025年1月14日号(1/ 7発売)

軍事・民間で宇宙覇権を狙う習近平政権。その静かな第一歩が南米チリから始まった

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流行の懸念
  • 2
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵の遺族を待つ運命とは? 手当を受け取るには「秘密保持」が絶対
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」
  • 4
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 5
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 6
    ウクライナの「禁じ手」の行方は?
  • 7
    レザーパンツで「女性特有の感染症リスク」が増加...…
  • 8
    「日本製鉄のUSスチール買収は脱炭素に逆行」買収阻…
  • 9
    今年、トランプ流の閣僚人事で開かれる「パンドラの…
  • 10
    プーチンの後退は欧州の勝利にあらず
  • 1
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流行の懸念
  • 2
    真の敵は中国──帝政ロシアの過ちに学ばない愚かさ
  • 3
    早稲田の卒業生はなぜ母校が「難関校」になることを拒否したのか?...「アンチ東大」の思想と歴史
  • 4
    ザポリージャ州の「ロシア軍司令部」にHIMARS攻撃...…
  • 5
    地下鉄で火をつけられた女性を、焼け死ぬまで「誰も…
  • 6
    青学大・原監督と予選落ち大学の選手たちが見せた奇跡…
  • 7
    カヤックの下にうごめく「謎の影」...釣り人を恐怖に…
  • 8
    「これが育児のリアル」疲労困憊の新米ママが見せた…
  • 9
    「日本製鉄のUSスチール買収は脱炭素に逆行」買収阻…
  • 10
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 1
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 2
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊」の基地で発生した大爆発を捉えた映像にSNSでは憶測も
  • 3
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 4
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼ…
  • 5
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 6
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 7
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達し…
  • 8
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
  • 9
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
  • 10
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いす…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中