ロシア中銀、予想外の金利据え置き 過去の引き締めが効果
ロシア中央銀行は20日、政策金利を予想外に21%に据え置いた。ロシア中銀の表札。2023年8月撮影(2024年 ロイター/Shamil Zhumatov)
Elena Fabrichnaya Gleb Bryanski
[モスクワ 20日 ロイター] - ロシア中央銀行は20日、政策金利を予想外に21%に据え置いた。これまでの引き締めにより、インフレ率が目標に向けて低下する環境が整ったと説明した。
市場は2%ポイントの引き上げを予想していた。
財界からは、利上げが投資を阻害しているとの不満の声が上がっていた。プーチン大統領は19日の年次会見で、ロシア経済は過熱の兆候が見られ、高いインフレを招いているとの認識を示す一方で、中銀が20日に「バランスの取れた」判断をすることを期待していると述べた。
ナビウリナ中銀総裁は記者会見で「金利が高水準にあるときや、中銀が利上げを実施しているときは政策への批判が強まる」とし、「中銀は状況を検証し、予測に基づいて決定を下している」と述べ、圧力に屈したとの見方を否定した。
中銀は声明で「借り入れ金利が顕著に上昇し、与信活動が低迷していることを考慮すると、金融引き締め達成によって、ディスインフレのプロセスを再開し、インフレ率が目標に戻るのに必要な前提条件が整った」と述べた。
インフレ率は9.5%と目標の4%を大きく上回っている。しかし中銀は、引き締め政策がすでに貸し出しを鈍化させ、内需を減退させているとし、2月14日の次回会合で利上げの必要性を評価すると述べた。
中銀は法的に独立が保証され、プーチン大統領もナビウリナ総裁に政策運営を委ねてきた。しかしアナリストは財界からの圧力は無視できないほど強くなっていると指摘。「圧力が効を奏し、中銀は(利上げ)停止を決定した」とエコノミストのエフゲニー・コーガン氏は述べた。
対ウクライナ戦費に加えルーブル安がインフレが押し上げている。中銀はインフレのバランスが依然かなり上向きに傾いていると述べた。
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