ロシア、バルト海での妨害行為でNATO試す=ポーランド軍高官
ロシアがバルト海で通信や船舶追跡データなどを妨害し、船舶とエネルギー供給を危険にさらして北大西洋条約機構(NATO)を中心とする西側諸国の反応を試していると、同海域を管轄するポーランド軍高官が指摘した。2023年10月撮影(2024年 ロイター/Johanna Geron)
Barbara Erling Marek Strzelecki
[ワルシャワ 16日 ロイター] - ロシアがバルト海で通信や船舶追跡データなどを妨害し、船舶とエネルギー供給を危険にさらして北大西洋条約機構(NATO)を中心とする西側諸国の反応を試していると、同海域を管轄するポーランド軍高官が指摘した。
ポーランドの海軍作戦センターの指揮官ヤボルスキ氏は、先週ロイターに対し「バルト海でのハイブリッド戦はわれわれが直面している最大の課題だ」と語り、政治を混乱させたり、エネルギー供給を中断させたりしようとする他の企図と並行して行う攻撃に言及した。
ロシアは他国の船舶の活動を妨害する戦術を組織的に使用しているとし、「われわれの生活を混乱させようとしている」と述べ、「同盟国としてのわれわれを試し、どこまでできるかを見極めようとしている」とも述べた。
ロシアがウクライナに侵攻した2022年以降、通信ケーブルやガスパイプラインに対する破壊工作が疑われる事件は少なくとも3件発生。ただ、ロシアは破壊工作を否定している。
ヤボルスキ氏は、22年の海底パイプライン「ノルドストリーム」の攻撃以来、ロシア商船が電子航行を可能にする自動識別装置(AIS)の信号を停止することを繰り返しているとも述べた。海事法違反であり、船舶が検知されずに移動できる一方、他の船舶を危険にさらす行為だと批判した。
ドイツ連邦情報局のカール長官は先月、ロシアによる破壊工作により「NATOがいずれ集団防衛条項の発動を検討するリスクが高まっている」と述べた。
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