フィリピンと中国、スカボロー礁周辺の衝突で非難の応酬
12月4日、中国とフィリピンは、領有権を争う南シナ海のスカボロー礁(中国名・黄岩島)周辺で起きた衝突を巡って互いに非難した。付近をボートで通る漁師、2022年撮影(2024年 ロイター/Lisa Marie David)
[北京/マニラ 4日 ロイター] - 中国とフィリピンは4日、領有権を争う南シナ海のスカボロー礁(中国名・黄岩島)周辺で起きた衝突を巡って互いに非難した。
中国海警局は報道官談話を発表し、4隻のフィリピン巡視船がスカボロー礁付近の領海に入ろうとし、監視任務を行っていた海警局の巡視船に「危険なほど接近した」ため「管理権を行使した」と主張した。
一方、フィリピン沿岸警備隊の報道官は、中国海軍と海警局の船舶がフィリピン沿岸警備隊と漁業局による通常の巡視活動に対して「攻撃的な行動」を取ったと非難した。
中国側は放水砲を発射し沿岸警備隊の船に衝突し、さらに進路妨害や追尾など危険な行為を行ったと指摘した。
スカボロー礁はフィリピンの排他的経済水域(EEZ)内に位置する。しかし中国はEEZの基準となる海岸線「基線」を独自に定め、これに基づきスカボロー礁を自国領として明記した「領海地図」を2日、国連に提出した。国連海洋法条約(UNCLOS)の締約国として、「領土主権と海洋権益を守るための正当な活動だ」とする声明を発表した。
これに対しフィリピン国家安全保障会議のマラヤ報道官は、領有権の「根拠のない主張」を強化しようとする試みのようだと述べた。