日鉄によるUSスチール買収「阻止する」、トランプ氏が改めて反対表明
12月2日、トランプ次期米大統領(写真)は、USスチールは一連の税制優遇措置や関税を通じて再び強くなると述べ、日本製鉄による買収計画に改めて反対を表明した。写真は米ワシントンで11月撮影(2024 ロイター/File Photo)
[3日 ロイター] - トランプ次期米大統領は2日、USスチールは一連の税制優遇措置や関税を通じて再び強くなると述べ、日本製鉄による買収計画に改めて反対を表明した。
トランプ氏は自身のソーシャルメディアで「かつて偉大で強力だったUSスチールが外国企業、今回は日本製鉄に買収されることに私は全面的に反対だ」と述べ「私はこの取引を阻止する。買い手は用心せよ!」とした。
日鉄はトランプ氏の発言を受けてコメントを出し、USスチールを支えて成長させることができると買収計画を改めて説明。「米国産業界、米国国内のサプライチェーンの強靭(きょうじん)化、米国の国家安全保障を強化するものと考えている」とした。
USスチールも買収計画への支持を重ねて表明。ペンシルベニア州とインディアナ州の製鉄業を維持するとし、本案件のメリットに基づき承認を判断すべきとの立場を示した。
一方、買収に反対している全米鉄鋼労働組合(USW)はトランプ氏の発言を歓迎するとした。
日鉄のUSスチール買収は、大統領選挙中にバイデン氏も反対を表明していた。複数の関係者によると、石破茂首相は先月、バイデン大統領に書簡に送り、買収計画を承認するよう求めたことが分かっている。
日鉄の森高弘副会長は先月の決算会見で、買収について「間違いなく年末までにクローズできる」と自信を示していた。