ルーマニア議会選、左派与党が第1党へ 極右躍進に一定の歯止め
ルーマニア議会選が1日に投開票され、序盤時点の開票結果では与党の左派・社会民主党(PSD)が第1党となる見通しだ。同国の親欧米志向に異議を唱える極右の躍進をある程度抑えることになりそうだ。ルーマニアのJoitaで撮影(2024年 ロイター/Andreea Campeanu)
Luiza Ilie
[ブカレスト 1日 ロイター] - ルーマニア議会選が1日に投開票され、序盤時点の開票結果では与党の左派・社会民主党(PSD)が第1党となる見通しだ。同国の親欧米志向に異議を唱える極右の躍進をある程度抑えることになりそうだ。
11月24日に行われた大統領選では、無所属の極右候補カリン・ジョルジェスク氏がほぼ無名の状態から首位で決選投票に進出。同氏の予想外の勝利により、強硬右派政党への支持が注目されていた。
最終の開票結果が序盤時点と同じであれば、PSD率いる親欧米連合が政権を樹立するのに十分な議席を獲得する可能性が高いが、極右も議会でかなりの勢力を占めそうだ。
バベシュ・ボヨイ大学のセルジウ・ミシュコイウ教授(政治学)は、PSDが連立協議で中心的役割を果たす可能性が高いと指摘。一方で今回の結果は「1990年以降で政治的スペクトラムが最も分断されている」ことを示しており、欧州連合(EU)で最も貧しい地域のいくつかを抱えるルーマニアで社会的分裂が深まっていると分析した。
序盤時点の得票率を見ると、PSDが24%で、18%の極右政党「ルーマニア人統一同盟」を上回った。ジョルジェスク氏と共に大統領選決選投票に進んだエレナ・ラスコニ氏の中道野党「ルーマニア救国同盟(USR)」が10%、連立の一角を占めるリベラル政党が14%。2つの極右グループ、SOSとPOTはそれぞれ7%と5.5%、ハンガリー系民族政党UDMRは6%だった。