カザフ、ロシア経由原油輸出を徐々に削減、トルコ港から輸出増へ
中央アジアの産油国カザフスタンがロシア経由の原油輸出量を徐々に減らし、トルコ経由のルートを増やす見通しとなった。写真はカザフスタンの石油精製所。23年撮影。(2024年 ロイター/Turar Kazangapov)
[アルマトイ 25日 ロイター] - 中央アジアの産油国カザフスタンがロシア経由の原油輸出量を徐々に減らし、トルコ経由のルートを増やす見通しとなった。カザフのアルマサダム・サトカリエフ・エネルギー相が25日の議会で表明した。
カザフは、2024年の原油生産量が8840万トンの見通しだが、26年から年間1億トン以上への増産を見込む。エネルギー相は、生産増に伴ってトルコのジェイハン港経由での輸出を「徐々に増やしていくことに関心を持っている」と述べた。ただ、開始時期は明らかにしなかった。
ジェイハン港までのルートは、カザフ側で原油を積んだタンカーがカスピ海を渡り、その後アゼルバイジャンからジョージア、トルコを横断する「バクー・トビリシ・ジェイハンBTCパイプライン」を活用して油送する。エネルギー相によると、こうしたルートの油送量は年間150万トンにとどまるものの、今後は最大2000万トンに拡大する方針という。
カザフの今年の輸出は6880万トンを見込む。このうち5540万トンは「カスピ海パイプライン・コンソーシアム(CPC)」経由で黒海沿岸のロシア・ノボロシースク港に送る。この油送ルートは輸出全体の80%余りに当たるが、今後はこの割合を徐々に下げる見通しだ。
これとは別のロシア経由のアティラウ・サマーラ・パイプラインを使った輸出は860万トンの見通し。また、カスピ海経由で360万トン、中国向けはパイプラインで110万トンをそれぞれ送る予定。
カザフの今年の生産量見通しは日量約182万バレル。トンベースの年間生産量は8840万トンで、当初計画9000万トンを下回る見通し。大規模油田の管理・補修に加え、石油輸出国機構(OPEC)と非加盟国で構成するOPECプラスの協調減産が要因だった。カザフの輸出量は世界の供給量の1%余りに当たる。