石油は神からの贈り物=OPEC事務局長
11月20日、石油輸出国機構(OPEC)のガイス事務局長(写真)は、原油やガスは神からの贈り物であり、各国はエネルギー源を排斥するのではなく温室効果ガス排出削減に焦点を絞るべきだと述べた。写真はアゼルバイジャンのバクーで撮影(2024 ロイター/Murad Sezer)
Valerie Volcovici Alison Withers
[バクー 20日 ロイター] - 石油輸出国機構(OPEC)のガイス事務局長は20日、原油やガスは神からの贈り物であり、各国はエネルギー源を排斥するのではなく温室効果ガス排出削減に焦点を絞るべきだと述べた。アゼルバイジャンで開催中の国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)で演説した。
ガイス氏は「石油とガスは、食品の生産や包装、輸送、医学の研究、医薬品の製造供給などに影響を及ぼす。例を挙げたらきりがない」と強調。各国は石油を排斥することなく気候目標を追求できると指摘し、「地球温暖化対策の国際枠組み『パリ協定』は排出削減が焦点で、エネルギー源を選ぶことではない」と訴えた。
OPECは、空気中からの二酸化炭素(CO2)回収などの技術で化石燃料燃焼による気候への影響は対処できるとの見解を示している。
主要ガス輸出国で構成するガス輸出国フォーラムのハメル事務総長も「世界の人口が増え、経済が拡大し生活環境が変わるにつれ、天然ガスはさらに必要になる」と指摘。COP29で世界的な資金調達が合意され、各国の脱炭素を手助けする天然ガス事業が支援を受けられるよう望むと語った。その上で「全ての国が確実に包括的かつ混乱なくエネルギー移行することが重要だ」と訴えた。
気候学者によると、気温上昇は早ければ2030年代初めに1.5度を超える可能性が高く、それを超えると深刻な影響が生じる恐れがあるという。