仏極右ルペン氏、政権に退陣要求も 生活費高騰に予算対応なしなら
フランス極右政党、国民連合(RN)の指導者マリーヌ・ルペン氏(写真)は11月20日、政府予算案にRNの生活費高騰を巡る懸念が反映されない場合、バルニエ首相率いる内閣を不信任投票で退陣に追い込む考えだと警告した。10月22日、パリで撮影(2024年 ロイター/Stephanie Lecocq)
[パリ 20日 ロイター] - フランス極右政党、国民連合(RN)の指導者マリーヌ・ルペン氏は20日、政府予算案にRNの生活費高騰を巡る懸念が反映されない場合、バルニエ首相率いる内閣を不信任投票で退陣に追い込む考えだと警告した。
ルペン氏は、欧州連合(EU)欧州議会から資金を不正受給したとされる疑惑を巡る公判で、フランス検察から5年間の公職追放を求刑されている。同氏は疑惑を否定している。
裁判所が有罪と判断し、求刑通り公職追放を言い渡した場合、2027年の大統領選に出馬できなくなる。このため、現政権の退陣を早期に目指すのではないかと見方が出ている。
ルペン氏は「フランス国民の購買力が再び打撃を受けることは容認できない。このレッドライン(越えてはならない一線)を越えれば不信任投票を実施する」とRTLラジオに語った。
バルニエ氏は、分極化が深まる国民議会(下院)で、憲法の規定を使って採決なしで予算法案を成立させる可能性を示唆している。強行すればRNや左派勢力による不信任投票が必至となる。
ルペン氏はまた、家計や企業家、年金生活者への増税にRNは反対で、これまでのところ、この要求が予算案に反映されていないとした。
急進左派「不服従のフランス(LFI)」による年金改革撤回の提案にRNは賛成票を投じるとも語った。左派勢力は不信任案を提出する方針を明らかにしており、RNが棄権すればバルニエ氏は退陣を回避できる。