米政府効率化組織、連邦最高裁判決に基づいて改革提言
トランプ次期米大統領が設置を表明した政府効率化組織を率いるイーロン・マスク氏と、ビベック・ラマスワミ氏(写真)は11月20日、最近の連邦最高裁判決に基づいて連邦政府の権力の制限や、規制緩和などの改革を提言する方針を示した。10月27日、ニューヨークで撮影(2024年 ロイター/Carlos Barria)
[20日 ロイター] - トランプ次期米大統領が設置を表明した政府効率化組織を率いるイーロン・マスク、ビベック・ラマスワミ両氏は20日、最近の連邦最高裁判決に基づいて連邦政府の権力の制限や、規制緩和などの改革を提言する方針を示した。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に20日掲載された寄稿で明らかにした。
米電気自動車(EV)大手テスラや宇宙企業スペースXなどを率いる実業家のマスク氏と、米大統領選の共和党候補指名争いに加わったバイオテクノロジー企業ロイバント・サイエンシズ創業者のラマスワミ氏が率いる組織は、連邦政府の効率化に向けて提言する。両氏は連邦政府の従業員を大幅に削減し、多くの規制を一掃したいとの考えを示しており、どのように運営されるのかに関心が集まっている。
2022年の連邦最高裁判決によると、連邦議会の明らかな承認がない場合には、連邦政府は経済的または社会的に広範な影響を及ぼす「重大な問題」に対処できないとした。さらに今年6月の連邦最高裁判決では、曖昧な法律については当局の解釈に従うように求めていた過去の判例を覆した。
これらの判決は、バイデン政権が制定した学生ローン救済計画、ネット中立性、時間外労働手当などに関する多くの規則を裁判所が阻止したり、撤回させたりするきっかけとなった。
マスク、ラマスワミ両氏は、これらの最高裁判決に鑑みると何千もの連邦規則が無効なのを示唆していると指摘。また、トランプ氏が大統領復帰後に既存の規則を無効にした場合には法的な異議申し立てがあると予測しながらも、大統領には連邦政府機関の行き過ぎた行為を是正する権限があると訴えた。
共和党が勝利した大統領選と上下両院議会選での信任、最高裁の9人の判事のうち6人を保守派が占めている状況を踏まえると、政府効率化組織が連邦政府を大幅に縮小できるチャンスがあると主張した。
トランプ氏は先週、政府効率化組織が個別の報告書を発表していき、2026年7月4日の終了時には「大きな」報告書を発表すると表明していた。
マスク氏とラマスワミ氏のソーシャルメディアへの投稿によると、政府効率化組織は「知能指数(IQ)が高い」職員を募っており、毎週の動画配信を計画している。