原油先物は上昇、ウクライナ戦争の激化懸念や中国の需要回復見通しで
11月20日、原油先物価格は20日のアジア時間の取引で小幅上昇している。写真はギリシャのアスプロピルゴスにある石油精製施設。15日撮影(2024 ロイター/Stelios Misinas)
Laila Kearney
[20日 ロイター] - 原油先物価格は20日のアジア時間の取引で小幅上昇している。ウクライナでの戦争激化懸念や中国の需要回復見通しで買いが優勢となっている。
北海ブレント先物は0.09ドル(0.1%)高の1バレル=73.40ドル。米WTI先物は0.14ドル(0.2%)高の69.53ドル。
市場関係者が米石油協会(API)の数字を引用して明らかにしたところによると、11月15日に終了した週の米原油在庫は475万バレル増加した。一方、ガソリン在庫は248万バレル減少。留出油在庫も68万8000バレル減少した。政府の公式データは20日発表される予定。
主要産油国であるロシアとウクライナの戦争が激化していることが、価格を下支えしているもよう。ウクライナは19日、米国から供与された長距離地対地ミサイル「ATACMS」を使用し、ロシア西部ブリャンスク州の兵器庫を攻撃した。ウクライナの公式筋が確認した。19日はロシアのウクライナ侵攻開始から1000日目にあたり、新たな緊張が高まっている。
オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)のアナリストは顧客向けメモの中で「ロシアとウクライナの戦争における緊張が再び高まったことを意味し、石油市場における供給途絶のリスクに再び焦点が当てられることになる」と述べた。