プーチン氏、核ドクトリン改定承認 米国のウクライナ支援に警告
ロシアのプーチン大統領(写真)は19日、核兵器使用に関するドクトリン(核抑止力の国家政策指針)の改定を承認した。18日撮の代表撮影。(2024年 ロイター/Sputnik)
Guy Faulconbridge
[モスクワ 19日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領は19日、核兵器使用に関するドクトリン(核抑止力の国家政策指針)の改定を承認した。核保有国の支援を受けたロシアへの通常兵器攻撃に対し、核兵器の使用を検討する可能性があると警告した。
ウクライナが米国製長距離兵器を使用してロシア領内を攻撃することをバイデン政権が許可したとの報道を受け、数日でドクトリン改定に踏み切った。
ロシアは自国や同盟国ベラルーシが「通常兵器の使用により、自国の主権や領土保全に重大な脅威を与える」攻撃に直面した場合、核攻撃を検討すると明記した。
2020年に定められた従来のドクトリンでは、核攻撃や国家の存亡を脅かす通常攻撃を受けた場合に、ロシアは核兵器を使用できるとされていた。
他の変更点としては、核保有国に支援された非核保有国によるロシアへの通常攻撃を共同攻撃とみなすとした。ロシア領内への航空機、巡航ミサイル、無人機(ドローン)による大規模な攻撃も核攻撃の引き金となり得るとした。
また、同盟国の一部によるロシアに対する侵略は、同盟全体による侵略とみなすと定めた。
大統領府(クレムリン)は、ロシアは核兵器を抑止力として考えているとし、ドクトリン改定は敵国に対し、ロシアが攻撃された場合に報復が不可避であることを明確にすることが目的だと説明した。