石油・ガス施設のメタン放出、警告への本格的対応は1%=国連
11月15日、国連環境計画(UNEP)国際メタン排出観測所(IMEO)が公表した報告書によると、同観測所が石油・ガスのインフラ施設から放出されるメタンの観測を昨年開始して以降、該当する政府・企業に出した1200件の警告のうち、放出を防ぐための本格的な対応措置が取られたのはわずか1%の12件だった。2019年11月、米テキサス州で撮影(2024年 ロイター/Angus Mordant)
Gloria Dickie
[バクー 15日 ロイター] - 国連環境計画(UNEP)国際メタン排出観測所(IMEO)が15日公表した報告書によると、同観測所が石油・ガスのインフラ施設から放出されるメタンの観測を昨年開始して以降、該当する政府・企業に出した1200件の警告のうち、放出を防ぐための本格的な対応措置が取られたのはわずか1%の12件だった。
UNEPのリードアークテクト、ローランド・クペルス氏はアゼルバイジャンで開かれた国連気候変動枠組み条約29回締結国会議(COP29)で「われわれは当初、(対応が取られる)比率が大幅に高くなると予想していた」と述べた。
UNEPのエグゼクティブディレクター、インガー・アンダーセン氏は「政府と石油・ガス会社は、この問題への口先だけの対応をやめなければならない」と指摘。地球温暖化をもたらすメタンの放出を防ぐ対応を開始する「重要な機会を彼らは認識しなければならない」と語った。
国連のデータによると、メタンの放出が最も多かったのはトルクメニスタンで約400件の放出が検出された。次ぎに多かったのは米国で178件。COP29開催国のアゼルバイジャンは32件だった。
メタン放出に本格的な対応が取られたのはアルジェリア、アゼルバイジャン、ナイジェリア、米国の各国。