スペイン洪水、被災地企業の被害額は100億ユーロ超か
スペイン東部を襲った洪水で企業の被害額は100億ユーロを超える可能性があり、被災地域向けの銀行融資額は200億ユーロ(218億2000万ドル)前後相当に上ると地元の企業団体やスペイン銀行(中央銀行)幹部が11月5日、明らかにした。同日、被害の出たバレンシア近郊で撮影(2024年 ロイター/Nacho Doce)
Jesús Aguado
[マドリード 5日 ロイター] - スペイン東部を襲った洪水で企業の被害額は100億ユーロを超える可能性があり、被災地域向けの銀行融資額は200億ユーロ(218億2000万ドル)前後相当に上ると地元の企業団体やスペイン銀行(中央銀行)幹部が5日、明らかにした。
洪水に見舞われたのは主に東部バレンシア州で、これまでに少なくとも217人の死亡が確認されたほか、安否不明者が依然残されている。
スペイン政府は5日、被災者支援のため約106億ユーロの予算を計上した。
バレンシア州の企業団体トップは、最も影響が深刻だった地域の企業の被害額は100億ユーロを「大きく超える」との見通しを示した。
スペイン銀行で金融安定部門責任者を務めるアンヘル・エストラダ氏は、被災地向けの銀行融資の内訳はおよそ130億ユーロが家計、70億ユーロが企業で、それぞれ47万2000世帯、2万3000社が借り入れていると説明した。
このうち15万件の住宅ローン契約については政府と銀行が返済を猶予することで合意。エストラダ氏は、返済猶予措置が銀行の引当金積み増しにつながりかねないような与信区分の変更をもたらさないよう万全を期すことが重要だと述べた。