アングル:米大統領選で4年前の悪夢再来も、トランプ氏の結果覆す企て懸念
米大統領選の激戦州ペンシルベニア州で「選挙不正」があったという共和党候補トランプ前大統領の虚偽の主張を受け、トランプ氏が同州や大統領選の行方を左右する州で選挙結果の覆しを企てるのではないかという懸念が高まっている。8月撮影(2024年 ロイター/Marco Bello, Jeenah Moon)
[フィラデルフィア 1日 ロイター] - 米大統領選の激戦州ペンシルベニア州で「選挙不正」があったという共和党候補トランプ前大統領の虚偽の主張を受け、トランプ氏が同州や大統領選の行方を左右する州で選挙結果の覆しを企てるのではないかという懸念が高まっている。
トランプ氏は10月31日、ペンシルベニア州の有権者登録で疑わしい行為があった可能性が調査されていることについて「大規模不正が見つかった」と主張し、刑事訴追を求めた。地元当局は調査に着手しており、問題のあった申請が不正投票につながることは証明されていない。
トランプ氏は前回2020年の大統領選で不正が横行したと主張し、敗北を認めなかった経緯がある。
トランプ氏の虚偽の主張について、民主主義擁護団体「プロテクト・デモクラシー」のストラテジスト、カイル・ミラー氏は「選挙結果を覆そうとする企ての種をまくことになる。われわれは20年にそれを目の当たりにした」と指摘。「トランプ氏とその支持者らは、早めにこうした種をまく必要があると学んだようだ」と述べた。
トランプ氏は今週開いた他の集会でも、大勝利を想定するよう支持者に呼びかけ、負けるようなことになれば、それは「不正選挙」の場合のみしか考えられないと述べた。
民主党候補ハリス副大統領の陣営の広報担当はMSNBCで、「選挙日を迎える前から、トランプ氏は根拠のない不正の主張をでっち上げている。選挙で負けるのではないかと恐れ、自分以外の誰かを責めようと必死になっている」と語った。
5日の選挙日までわずか4日を残す中、全国および激戦7州での世論調査は、トランプ氏とハリス氏の接戦を示している。