イラク政府、領内からの対イスラエル攻撃を警戒 対応進める
10月31日、複数の関係筋によると、イラク政府は、親イラン武装組織がイラク領内からイスラエルへの攻撃を開始して中東の紛争に巻き込まれる事態を防ぐため、対応を進めている。写真は、バグダッドで行われたイラクの武装組織カタイブ・ヒズボラの司令官の葬儀に参列する弔問客。9月撮影(2024年 ロイター/Thaier Al-Sudani)
Ahmed Rasheed Timour Azhari
[バグダッド 31日 ロイター] - 複数の関係筋によると、イラク政府は、親イラン武装組織がイラク領内からイスラエルへの攻撃を開始して中東の紛争に巻き込まれる事態を防ぐため、対応を進めている。
米ニュースサイトのアクシオスは31日、イランが11月5日の米大統領選前にイラク領内からイスラエルを攻撃する準備を進めていることをイスラエルの情報機関が示唆したと報じた。
関係筋によると、イラク政府は、イラクの親イラン勢力を統括する「イラクのイスラム抵抗運動」に対し、イスラエルへのロケット弾攻撃やドローン(無人機)攻撃を中止するよう説得しているが、成果は出ていない。
また、イラクの治安当局幹部が過去2カ月で2回、イランを訪問し、イラクで活動する親イラン組織を抑制するよう求めたが、イラン側は冷ややかな反応を示し、各組織の判断に任せると述べたという。
イラク政府は米国に対しても、イスラエルの報復攻撃を抑制するよう要請。イラク外務省当局者は「米国はイスラエルがイラクを攻撃した場合の影響を理解しており、支援を約束した」と述べた。
武装組織の関係者によると、イスラエルへの攻撃を主導しているイラクの武装組織「カタイブ・ヒズボラ」と「ヌジャバ運動」は、イラクのスダニ首相をけん制し、イスラエルがパレスチナ自治区ガザとレバノンで作戦を継続する限り、攻撃を続ける意向を示している。