ウクライナ、ロシアのマネロン「ブラックリスト」追加に失敗
各国のマネーロンダリング対策などを調査する国際組織「金融活動作業部会」(FATF)の今週の会合で、マネロンの順守が不十分な国のリストにロシアを加えることを求めたウクライナによる提案が承認されなかった。2019年、パリで撮影(2024年 ロイター/Charles Platiau)
Tassilo Hummel Tom Balmforth Maria Martinez
[パリ 25日 ロイター] - 各国のマネーロンダリング(資金洗浄)対策などを調査する国際組織「金融活動作業部会」(FATF)が今週開いた会合で、マネロンの順守が不十分な国のリストにロシアを加えることを求めたウクライナによる提案が承認されなかった。事情に詳しい3人の情報筋がロイターに話した。中国やインド、サウジアラビア、南アフリカなどの国が反対した。
FATFでの議論に詳しい2人の情報筋によると、ブラジルも反対したグループに入っていた。ある情報筋によると、ウクライナの提案は、さらなる証拠を集める必要があるとして延期されたという。
FATFには英国やフランス、ドイツ、米国を含めた主要経済国が加盟している。FATFは25日の全体会議終了後、「グレー」および「ブラックリスト」の国々を更新する予定だとしながらも、直接のコメントは避けた。
2022年のウクライナへの侵攻を受け、西側諸国はロシアにさまざまな制裁を課している。ウクライナは、ロシアと「ブラックリスト」対象のイランや北朝鮮との密接な関係などを挙げ、国際金融システムに対する脅威だと主張している。
FATFは23年、ロシアによるウクライナ侵攻がFATFの掲げる原則に違反しているとして、ロシアの加盟資格を停止した。