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ドイツ経済浮揚に企業の投資奨励構想、経済相が公表

2024年10月24日(木)08時54分

 10月23日、ドイツのハーベック経済相(写真)は、予算の制約が投資を抑え込んでいるとし、経済の低成長対策として投資を奨励する基金を立ち上げる考えを打ち出した。写真は同日、ベルリンで撮影(2024年 ロイター/Liesa Johannssen)

Christian Kraemer Miranda Murray Maria Martinez

[ベルリン/ニューヨーク 23日 ロイター] - ドイツのハーベック経済相は23日、予算の制約が投資を抑え込んでいるとし、経済の低成長対策として投資を奨励する基金を立ち上げる考えを打ち出した。

自身の立場を示す文書を公表し、気候変動に左右されず、現代の産業技術を生かせる将来を築くには大規模な官民の投資が必要だが、新規借り入れを制限する「債務ブレーキ」があるため「予算の余地があまりにも限られている」と指摘。

債務ブレーキの影響を受けない数十億ユーロ規模の「ドイツ基金」を導入してインフラを近代化するとした。投資する企業はその10%相当の税負担が軽減される。

基金の期間は5年とした。経済成長が加速すれば国の債務の伸びは成長率に比べて低くとどまるとの見通しを示した。

また、インドやインドネシアなどとの貿易協定は規模を限定的にとどめるべきとした。

リントナー財務相はハーベック氏の提案が実現可能なのかを検証する考えを示した。

国際通貨基金(IMF)は今週、今年のドイツの国内総生産(GDP)成長率予測をゼロ%に引き下げており、景気の低迷が鮮明になっている。

債務ブレーキは連立政権の一翼を担う自由民主党(FDP)が聖域と見なす。FDPはハーベック氏が所属する緑の党、ショルツ首相の社会民主党(SPD)と連立を組む。

ロイター
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