ニュース速報
ワールド

情報BOX:ウクライナ 「勝利計画」の重要ポイント NATO招待や防衛力強化

2024年10月17日(木)09時23分

 ウクライナのゼレンスキー大統領は10月16日の議会演説で、対ロシア戦争の「勝利計画」を初めて公表した。11日、ベルリンで代表撮影(2024年 ロイター)

Max Hunder

[キーウ 16日 ロイター] - ウクライナのゼレンスキー大統領は16日の議会演説で、対ロシア戦争の「勝利計画」を初めて公表した。2025年中の戦争終結を目指すとしているこの計画の主なポイントは以下の5つ。別の3項目については非公表としている。

◎NATOへの招待

ゼレンスキー氏は、北大西洋条約機構(NATO)がウクライナを無条件で加盟交渉に招待する必要があると訴えた。

「NATO加盟は今すぐではなく将来の事案だと理解している。しかし(ロシア大統領の)プーチン氏に、地政学的計算の上から敗北に向かうという光景を見せられる」と述べた。

◎ウクライナの防衛力強化

ゼレンスキー氏は、ウクライナの防衛力を「不可逆的に強化」する必要があると主張し、幾つかの具体策を提示。一層の軍備拡充や、防衛産業の基盤強化、防空能力向上、武器使用制限の撤廃、ロシア領内での軍事作戦継続などを挙げた。

◎対ロシア抑止

ゼレンスキー氏によると、西側同盟国はロシアに新たな侵略は重大な結果をもたらすと分からせることで、さらなる侵略を抑止しなければならない。

「ウクライナは自国内に包括的な非核の戦略的抑止パッケージを整備し、これがロシアの軍事的脅威からウクライナを十分に守ってくれるだろう」と述べた。

抑止に必要な兵器の種類や数量などを記した秘密の付属文書の存在も明かしたが、詳細には言及していない。

◎資源開発協力

ゼレンスキー氏は、米国や欧州、その他同盟諸国とウクライナの天然資源開発・利用向けた共同投資の取り決めを結ぶことを提案した。総額は数兆ドル規模に上るという。

「この中には特にウラン、チタン、リチウム、黒鉛などの戦略的価値を持つ資源類が含まれる」と語った。

◎NATO強化への貢献

ゼレンスキー氏は、戦争終結後にウクライナ軍をNATOの安全保障強化に活用することを提案した。現在欧州に駐留する米軍部隊の一部の負担を肩代わりする。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:豪が子どものSNS利用禁止を計画、「孤立

ビジネス

利下げ急ぐ必要なし、インフレ率2%回帰に向け=アト

ワールド

ハマス最高指導者後任、ガザ地区外から選出か シンワ

ビジネス

米国株式市場=ダウ・S&P最高値、ネトフリとハイテ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:米大統領選 決戦前夜の大逆転
特集:米大統領選 決戦前夜の大逆転
2024年10月22日号(10/16発売)

米大統領選を揺るがす「オクトーバー・サプライズ」。最後に勝つのはハリスか? トランプか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    韓国著作権団体、ノーベル賞受賞の韓江に教科書掲載料を1ウォンも払わず 「連絡先分からず」と苦しい言い訳
  • 2
    大破した車の写真も...FPVドローンから逃げるロシア兵の正面に「竜の歯」 夜間に何者かが設置か(クルスク州)
  • 3
    逃げ場はゼロ...ロシア軍の演習場を襲うウクライナ「ATACMS」攻撃、無防備な兵士たちを一斉爆撃
  • 4
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 5
    死亡リスクはロシア民族兵の4倍...ロシア軍に参加の…
  • 6
    メーガン妃とヘンリー王子の「王室離脱の舞台裏」を…
  • 7
    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…
  • 8
    国立科学博物館『鳥 ~ゲノム解析で解き明かす新しい…
  • 9
    ウクライナ兵捕虜を処刑し始めたロシア軍。怖がらせ…
  • 10
    「メーガン妃のスタッフいじめ」を最初に報じたイギ…
  • 1
    死亡リスクはロシア民族兵の4倍...ロシア軍に参加の北朝鮮兵による「ブリヤート特別大隊」を待つ激戦地
  • 2
    大破した車の写真も...FPVドローンから逃げるロシア兵の正面に「竜の歯」 夜間に何者かが設置か(クルスク州)
  • 3
    『シビル・ウォー』のテーマはアメリカの分断だと思っていたが......
  • 4
    目撃された真っ白な「謎のキツネ」? 専門家も驚くそ…
  • 5
    「メーガン・マークルのよう」...キャサリン妃の動画…
  • 6
    ウクライナ兵捕虜を処刑し始めたロシア軍。怖がらせ…
  • 7
    韓国著作権団体、ノーベル賞受賞の韓江に教科書掲載料…
  • 8
    性的人身売買で逮捕のショーン・コムズ...ジャスティ…
  • 9
    逃げ場はゼロ...ロシア軍の演習場を襲うウクライナ「…
  • 10
    裁判沙汰になった300年前の沈没船、残骸発見→最新調…
  • 1
    ベッツが語る大谷翔平の素顔「ショウは普通の男」「自由がないのは気の毒」「野球は超人的」
  • 2
    「地球が作り得る最大のハリケーン」が間もなくフロリダ上陸、「避難しなければ死ぬ」レベル
  • 3
    死亡リスクはロシア民族兵の4倍...ロシア軍に参加の北朝鮮兵による「ブリヤート特別大隊」を待つ激戦地
  • 4
    ウクライナに供与したF16がまた墜落?活躍する姿はど…
  • 5
    大破した車の写真も...FPVドローンから逃げるロシア…
  • 6
    漫画、アニメの「次」のコンテンツは中国もうらやむ…
  • 7
    ウクライナ軍、ドローンに続く「新兵器」と期待する…
  • 8
    エジプト「叫ぶ女性ミイラ」の謎解明...最新技術が明…
  • 9
    コストコの人気ケーキに驚きの発見...中に入っていた…
  • 10
    エコ意識が高過ぎ?...キャサリン妃の「予想外ファッ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中