英HSBC、中国のデジタル資産運用事業を内部調査 社規違反か
英金融大手HSBCホールディングスが中国のデジタル資産運用事業「ピナクル」の経費と業務管理に不審な点があり内部調査を実施していることが複数の関係者の話で明らかになった。資料写真、2014年11月撮影(2024年 ロイター/Stefan Wermuth)
Selena Li
[香港/上海 14日 ロイター] - 英金融大手HSBCホールディングスが中国のデジタル資産運用事業「ピナクル」の経費と業務管理に不審な点があり内部調査を実施していることが複数の関係者の話で明らかになった。調査が人員削減につながり、同事業に注力してきた経営方針が急に転換する可能性もある。
関係者によると、職員の報酬体系が調査対象に含まれている。営業担当者の報酬は同業他社よりも高めの固定給に設定され、販売実績を伸ばすインセンティブがほとんど働かない体系という。また、取引先が経費を水増しし、経費が収入を急激に上回ることにつながったかどうかも調査対象という。調査目的が社内規則に違反しているかどうかを突き止めようとしていることだとの証言もあった。
HSBCライフの香港とマカオの拠点を率いていたエド・モンクリーフ氏が4月にグローバル保険事業の最高経営責任者(CEO)に就いた後、ピナクルの調査が始まった。関係者の1人は年末までに調査を完了する予定だと話した。
HSBC広報担当者はコメントを控えた。
ピナクルは2020年に業務を開始し、保険やファンド商品を販売している。
HSBCにとってアジアは収入と利益の大半を上げる重要地域。中国本土の富裕層向け市場は世界で2番目に速いペースで急成長しているものの、実店舗展開が限られることから、ピナクルはデジタル技術を通じた中国事業の強化を図っている。
ロイターが登記簿を調べたところ、HSBCは2020年以降、中国におけるピナクルの主要な事業法人2社に3億9000万ドルを投入している。
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