中国、10日の台湾総統演説後に軍事演習の可能性=関係筋
10月7日、台湾の頼清徳総統が10日、建国記念の日に相当する「双十節」の式典で演説するのに合わせて、中国が台湾に圧力をかけるために軍事演習を開始する可能性が高いと、台湾高官が明らかにした。写真は台湾の旗と軍艦の模型。昨年4月撮影(2024年 ロイター/Dado Ruvic)
Yimou Lee
[台北 7日 ロイター] - 台湾の頼清徳総統が10日、建国記念の日に相当する「双十節」の式典で演説するのに合わせて、中国が台湾に圧力をかけるために軍事演習を開始する可能性が高いと、台湾高官が明らかにした。
中国は5月、頼氏の総統就任後に「分離主義的行為」への対応として、台湾周辺で「連合利剣―2024A」と称する軍事演習を実施した。
台湾の安全保障当局高官は、収集した情報や中国政府の動向を分析した結果、すでに演習が計画され、頼氏の演説の内容に関係なく、「連合利剣―2024B」といった名前を付けて行われる可能性があるとの見解を示した。
頼氏の演説が口実に使われる公算が大きいと述べた。
ロイターが入手した台湾安全保障当局の内部メモは、中国が演習を頼氏の演説での「挑発」のせいにするかもしれないとしている。
「(中国は)絶えず各国のレッドラインを試し、(武力攻撃以外で打撃を与える)グレーゾーン作戦を最大化しようとしている」と指摘した。
台北を拠点とするある外交筋は、米大統領選挙が近いことから、中国は演説に対する軍事的反応を抑制する可能性があると語った。大統領選直前に台湾問題が国際的な注目を集めることを中国は望んでいないという。
「中国はもはや台湾周辺で軍事演習を行う口実を必要としていない。いつでも好きなときに実施できる」と述べた。