トランプ氏、不法移民は「凶悪」 激戦ペンシルベニア州で演説
9月29日、米大統領選を控え、共和党候補のトランプ前大統領は、激戦が予想される東部ペンシルベニア州で演説し、どぎつい表現で何度も不法移民をののしった。写真はウィスコンシン州で28日撮影(2024年 ロイター/Tim Evans)
Gram Slattery
[29日 ロイター] - 11月5日の米大統領選を控え、共和党候補のトランプ前大統領は29日、激戦が予想される東部ペンシルベニア州で演説し、どぎつい表現で何度も不法移民をののしった。
2時間弱の演説で10回余り、不法移民の一部は「凶悪」だと繰り返し、児童虐待者や麻薬の密売人、女性の人身取引に関わっていると発言。凶悪犯罪で起訴されたか、有罪判決を受けていると述べた。
トランプ氏は演説で新たな政策の詳細を語ることはなかった。極端な主張は、同氏が中道派有権者の支持獲得よりも、熱心な支持者を投票へと駆り立てることに主眼を置いていることをうかがわせる。
トランプ氏の同州での選挙活動は過去1カ月で4回目。これは勝敗を左右する激戦7州のうち、ペンシルベニア州をトランプ陣営が最重要視しているためだ。7州の中で人口が最も多く、大統領選挙の勝者を決める選挙人団の投票数が最も多いことが背景にある。
トランプ氏が29日演説した同州北西部エリー郡は、16年の大統領選でトランプ氏が民主党候補のヒラリー・クリントン氏を下したものの、前回20年はバイデン大統領に軍配が上がった同州の2郡の1つ。
複数の世論調査では、同州でトランプ氏と民主党候補のハリス副大統領の支持率は拮抗している。世論調査・分析サイト「ファイブサーティエイト」による調査平均によると、ハリス氏はトランプ氏を1パーセントポイントの差でリードしている。この差は、ほぼ全ての世論調査で誤差の範囲内だ。
トランプ氏が同州で次に演説するのは大統領選のちょうど1カ月前の10月5日。7月に暗殺未遂事件に遭ったバトラーで行われる。