イスラエル、ベイルート空爆でヒズボラ指揮官を殺害 10人死亡か
イスラエル軍は20日、レバノンの首都ベイルート南郊で、同国に拠点を置く親イラン武装組織ヒズボラ幹部を標的にした空爆を行った。ベイルートで同日撮影(2024年 ロイター/Mohamed Azakir)
[ベイルート/エルサレム 20日 ロイター] - イスラエル軍は20日、レバノンの首都ベイルート南郊で、同国に拠点を置く親イラン武装組織ヒズボラ幹部を標的にした空爆を行った。この攻撃により、ヒズボラの作戦指揮官イブラヒム・アキル氏が死亡した。イスラエル軍とレバノンの治安筋2人が明らかにした。
アキル氏はヒズボラの精鋭部隊「ラドワン部隊」のメンバーとともに会議中に殺害されたという。
レバノン保健省の発表によると、この攻撃で少なくとも9人が死亡、59人が負傷した。
イスラエル軍の報道官は、空爆でアキル氏のほか、ヒズボラの上級指揮官約10人が死亡したと発表。声明で今回の行動は「イスラエル国民を守ることが目的」とし、地域情勢の悪化は求めていないとした。
イスラエルがベイルートでヒズボラの最高軍事司令官を攻撃したのはここ2カ月弱で2度目。7月には空爆によりヒズボラ司令官で作戦本部トップのファド・シュクル氏を殺害した。
米国務省のウェブサイトによると、1983年にレバノンで海兵隊員を殺害した爆破事件に関与したとして、アキル氏には700万ドルの懸賞金がかけられていた。
これに先立ち、イスラエル軍はベイルートで「標的を絞った攻撃」を実施したと発表。レバノンの治安筋によると、攻撃を受けたのはヒズボラの主要施設付近だった。
ヒズボラの指導者ナスララ師は19日、17、18日の両日に発生した通信機器の一斉爆発について、イスラエルによる「宣戦布告」とみなされると主張。イスラエル軍は18日夜から19日にかけてレバノン南部の複数の標的を戦闘機などが攻撃したと発表している。