カナダ早期選挙の公算高まる 政権協力合意破棄の野党党首が発言
9月5日、カナダのトルドー首相が率いる少数派政権を無条件で支持する協定を破棄した左派野党、新民主党(NDP)のシン党首は記者団に「われわれはいつ選挙があっても戦う準備を整えている」と語り、早期の総選挙が行われる公算が高まっているとの見方を示した。スイス・ルツェルンで6月16日、代表撮影(2024年 ロイター)
David Ljunggren
[オタワ 5日 ロイター] - カナダのトルドー首相が率いる少数派政権を無条件で支持する協定を破棄した左派野党、新民主党(NDP)のシン党首は5日記者団に「われわれはいつ選挙があっても戦う準備を整えている」と語り、早期の総選挙が行われる公算が高まっているとの見方を示した。
NDPは2022年、トルドー氏の自由党との間で政権支持に合意する協定を結んだが、シン氏は4日、これを破棄すると宣言。トルドー氏は、25年10月末までに実施される次の総選挙まで政権を維持するには、他の野党との連携を模索せざるを得なくなった。
一方中道右派の最大野党、保守党はトルドー氏に対する不信任案を可決させて政権を追い込む構えとみられる。
8月21日に発表された世論調査によると、保守党の支持率は38.2%で、自由党は23.7%、NDPは18.2%だった。有権者の間では、15年以来のトルドー氏による長期政権が飽きられ始めているだけでなく、物価高や住宅不足を巡る不満も根強い。
トルドー氏にとっては、自由党の選対本部責任者ジェレミー・ブロードハースト氏が5日に辞任を表明したことも痛手になった。
ブロードハースト氏はX(旧ツイッター)に投稿した声明で、家族とより多くの時間を過ごしたいことを辞任の理由を挙げた。ただ地元紙が複数の自由党関係者の話として伝えたところでは、ブロードハースト氏はトルドー氏に勝ち目はないと判断したという。