米中軍高官が数週間以内に対話へ=バーンズ駐中国大使
9月5日、米国のバーンズ駐中国大使は、米誌フォーリン・ポリシーのインタビューで「米インド太平洋軍のパパロ司令官と中国人民解放軍南部戦区のトップが数週間以内に対話する」と述べた。北京で2023年7月、代表撮影(2024年 ロイター)
David Brunnstrom Michael Martina
[ワシントン 5日 ロイター] - 米国のバーンズ駐中国大使は5日、米誌フォーリン・ポリシーのインタビューで「米インド太平洋軍のパパロ司令官と中国人民解放軍南部戦区のトップが数週間以内に対話する」と述べた。不測の軍事的な衝突を避けるための米中の意思疎通を強化する狙いだ。
先月には訪中したサリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)が習近平国家主席と会談し、インド太平洋軍と、南シナ海を管轄する人民解放軍南部戦区のトップ同士が近く電話会談を行うことに合意していた。
バーンズ氏は、昨年中国の偵察目的とみられる気球を米軍が撃墜して両国の関係が非常に冷え込んで以来、米政府は軍首脳間でより緊密な話ができる方法を模索してきたと説明。その上でパパロ司令官の対話予定に触れて「気球撃墜の際でさえ、中国は米軍高官との対話を拒絶したが、現在はそれなりの進展がある」と指摘した。
さらにバーンズ氏は、今後オースティン国防長官やブラウン統合参謀本部議長らが参加するより高レベルでの中国側との対話を続けていきたいとの考えも示した。
バーンズ氏は「何らかの偶発事態や誤解が生じた場合、米軍首脳部が緊張を和らげ、衝突が起きた現場の当事者をいったん引き離し、あるいは議論をし、理性的な問題解決の道を確保するためには、中国側との連絡体制が必要だ」と強調した。