メキシコ、米・カナダ大使館と関係停止 司法改革案への批判受け
メキシコのロペスオブラドール大統領は8月27日、米国とカナダの両大使館と関係を停止したと発表した。両国の大使がメキシコの司法制度改革案を批判したことを受けた。23日、メキシコ市で撮影。大統領府提供写真(2024年 ロイター)
Ana Isabel Martinez Kylie Madry
[メキシコ市 27日 ロイター] - メキシコのロペスオブラドール大統領は27日、米国とカナダの両大使館と関係を停止したと発表した。両国の大使がメキシコの司法制度改革案を批判したことを受けた。
記者会見で両国との関係は停止していないと説明した。
同氏が推進する司法制度改革案には最高裁を含む判事の公選制が盛り込まれている。議会下院の委員会が26日に同案を可決し、9月に発足する新議会での承認に道を開いた。
米国のサラザール駐メキシコ大使は先週、同改革案が「メキシコの民主主義の機能に対する大きなリスク」と批判し、米国との貿易関係を脅かす可能性があると警告した。
カナダのクラーク駐メキシコ大使も改革案について投資家が懸念していると指摘した。
サラザール氏は27日、ロペスオブラドール大統領の発言後に23日付の大使館の外交文書を投稿。司法制度改革の概念は支持するが、裁判官の公選制が司法の腐敗への対処にはならず、司法部門の強化にもつながらないとの米国の立場を示した。
ロペスオブラドール氏はサラザール氏の発言について内政干渉と批判してきた。同氏は、米・カナダ両大使館が「メキシコの独立性を尊重すると確認」できるまで関係停止を続けると表明した。
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