リビアで油田の操業停止広がる、中銀総裁人事など巡り対立深まる
国家分裂状態にあるリビアで東部にある2つの油田が操業停止となった。別の1つの油田でも減産が実施されている。現地のエンジニアがロイターに明らかにした。写真はリビアのシャララ油田。2017年7月撮影(2024年 ロイター/Aidan Lewis)
[ベンガジ 27日 ロイター] - 国家分裂状態にあるリビアで油田の操業停止が広がっている。中央銀行総裁人事や石油売却収入をめぐる対立が背景。
東部トブルクを拠点とする勢力は26日、東部地域の油田を閉鎖し、生産と輸出を停止すると発表。石油収入に大きく依存する首都トリポリの暫定政権側との対決姿勢を鮮明にした。
リビアにある油田のほとんどは東部地域にあり、トブルク派勢力の有力軍事組織「リビア国民軍(LNA)」が支配している。
トリポリのデイバ暫定首相は油田が「説得力に欠ける口実」で閉鎖されることは許されないと批判。これに対し、LNAの指導者ハリファ・ハフタル氏は26日、中銀総裁や理事会の交代を「正当性と権限を欠く組織による違法行為」と主張した。
トリポリ暫定政権とリビア国営石油会社(NOC)は油田の操業停止を確認していない。
しかし油田のエンジニアはロイターに、東部のアマル油田とナフーラ油田の操業が27日に停止され、アブ・アティフェル油田でも減産が実施されていると語った。
イタリアのEniとNOCの合弁会社が運営する南西部のエルフィール油田も、現地の技術者によると生産を停止した。
NOCは今月、南西部の主要油田のシャララ油田について抗議活動を理由に、一時的に売り手への出荷義務を免れる「不可抗力(フォースマジュール)」を宣言した。不可抗力宣言は今も続いている。