ニュース速報
ワールド

イスラエル軍、ヒズボラの武器庫空爆と発表 レバノン東部

2024年08月22日(木)09時07分

イスラエル軍は21日、レバノン東部ベカー高原にある親イラン武装組織ヒズボラの武器庫を夜間に空爆したと発表した。ベカー高原でのイスラエルの空爆、3月12日撮影。(2024年 ロイター/Mohamed Azakir/File Photo)

[エルサレム/ベイルート 21日 ロイター] - イスラエル軍は21日、レバノン東部ベカー高原にある親イラン武装組織ヒズボラの武器庫を夜間に空爆したと発表した。ヒズボラも報復攻撃を実施したと発表した。

イスラエルとレバノンの国境を越えた交戦激化を受け、パレスチナ自治区ガザでのイスラエルとイスラム組織ハマスの戦争が全面的な中東紛争に発展する可能性への懸念が高まるとみられる。

イスラエルはまた、イラン革命防衛隊やヒズボラと協力していた戦闘員をレバノン南部シドンで殺害したと発表した。

イスラエル軍は戦闘機でベカー高原地域のヒズボラの武器貯蔵施設数カ所を攻撃したとし、「攻撃後、二次爆発が確認され、施設内に大量の武器があったことが示された」と述べた。

レバノンの治安関係者は、ベカー高原の東部都市バールベック近郊の住宅地が攻撃され、少なくとも2人が死亡、19人が負傷したと述べた。この地域はヒズボラが支持を集めるシーア派イスラム教徒が多い。

死亡した人が民間人なのか戦闘員なのかは不明。

ヒズボラは攻撃への報復として、イスラエルが占領するゴラン高原にあるイスラエル軍の補給拠点をロケット砲「カチューシャ」で攻撃したと表明した。その後、さらにイスラエル北部のキブツ(農業共同体)にある軍の拠点を複数のドローン(無人機)で攻撃したと発表した。

イスラエル軍は防空システムがドローンの一部を迎撃し、他のドローンは同地域に落下したとしている。負傷者の報告はない。

パレスチナの関係者はイスラエル軍が殺害した戦闘員について、パレスチナ自治政府主流派ファタハの武装組織メンバーだとロイターに語った。

イスラエル軍は17日にも、ヒズボラの武器庫を標的に空爆を行ったと発表。レバノンの国営通信は、この空爆により子ども2人を含む少なくとも10人のシリア人が死亡したと伝えた。

イスラエル軍は19日にも、ベカー高原にあるヒズボラの武器庫を空爆している。

ロイターの集計によると、昨年10月の衝突開始以降、レバノンではヒズボラ戦闘員400人以上と民間人132人を含む600人以上が死亡している。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米景気懸念、大手金融機関の業績に影響か

ビジネス

トランプ関税、予想よりはるかにに大きい インフレ再

ワールド

米ロ、10日にイスタンブールで2回目の協議=外交筋

ワールド

米、関税免除当面なし 中国は独自の道選択のもよう=
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ関税大戦争
特集:トランプ関税大戦争
2025年4月15日号(4/ 8発売)

同盟国も敵対国もお構いなし。トランプ版「ガイアツ」は世界恐慌を招くのか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    公園でひとり歩いていた老犬...毛に残された「ピンク色」に心打たれる人続出
  • 3
    「吐きそうになった...」高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及んでる...インド人男性の投稿にSNSで怒り爆発
  • 4
    【クイズ】ペットとして、日本で1番人気の「犬種」は…
  • 5
    これが中国の「スパイ船」...オーストラリア沖に出現…
  • 6
    反トランプのうねり、どこまで大きくなればアメリカ…
  • 7
    流石にこれは「非常識」?...夜間フライト中に乗客が…
  • 8
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 9
    ロシア黒海艦隊をドローン襲撃...防空ミサイルを回避…
  • 10
    「茶色すぎて前が見えない」...ネパールを染める「危…
  • 1
    ひとりで海にいた犬...首輪に書かれた「ひと言」に世界が感動
  • 2
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 3
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    ロシア黒海艦隊をドローン襲撃...防空ミサイルを回避…
  • 6
    【クイズ】日本の輸出品で2番目に多いものは何?
  • 7
    5万年以上も前の人類最古の「物語の絵」...何が描か…
  • 8
    「最後の1杯」は何時までならOKか?...コーヒーと睡…
  • 9
    紅茶をこよなく愛するイギリス人の僕がティーバッグ…
  • 10
    「吐きそうになった...」高速列車で前席のカップルが…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    ひとりで海にいた犬...首輪に書かれた「ひと言」に世界が感動
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の…
  • 5
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 9
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中