イスラエル軍、ヒズボラの武器庫空爆と発表 レバノン東部
イスラエル軍は21日、レバノン東部ベカー高原にある親イラン武装組織ヒズボラの武器庫を夜間に空爆したと発表した。ベカー高原でのイスラエルの空爆、3月12日撮影。(2024年 ロイター/Mohamed Azakir/File Photo)
[エルサレム/ベイルート 21日 ロイター] - イスラエル軍は21日、レバノン東部ベカー高原にある親イラン武装組織ヒズボラの武器庫を夜間に空爆したと発表した。ヒズボラも報復攻撃を実施したと発表した。
イスラエルとレバノンの国境を越えた交戦激化を受け、パレスチナ自治区ガザでのイスラエルとイスラム組織ハマスの戦争が全面的な中東紛争に発展する可能性への懸念が高まるとみられる。
イスラエルはまた、イラン革命防衛隊やヒズボラと協力していた戦闘員をレバノン南部シドンで殺害したと発表した。
イスラエル軍は戦闘機でベカー高原地域のヒズボラの武器貯蔵施設数カ所を攻撃したとし、「攻撃後、二次爆発が確認され、施設内に大量の武器があったことが示された」と述べた。
レバノンの治安関係者は、ベカー高原の東部都市バールベック近郊の住宅地が攻撃され、少なくとも2人が死亡、19人が負傷したと述べた。この地域はヒズボラが支持を集めるシーア派イスラム教徒が多い。
死亡した人が民間人なのか戦闘員なのかは不明。
ヒズボラは攻撃への報復として、イスラエルが占領するゴラン高原にあるイスラエル軍の補給拠点をロケット砲「カチューシャ」で攻撃したと表明した。その後、さらにイスラエル北部のキブツ(農業共同体)にある軍の拠点を複数のドローン(無人機)で攻撃したと発表した。
イスラエル軍は防空システムがドローンの一部を迎撃し、他のドローンは同地域に落下したとしている。負傷者の報告はない。
パレスチナの関係者はイスラエル軍が殺害した戦闘員について、パレスチナ自治政府主流派ファタハの武装組織メンバーだとロイターに語った。
イスラエル軍は17日にも、ヒズボラの武器庫を標的に空爆を行ったと発表。レバノンの国営通信は、この空爆により子ども2人を含む少なくとも10人のシリア人が死亡したと伝えた。
イスラエル軍は19日にも、ベカー高原にあるヒズボラの武器庫を空爆している。
ロイターの集計によると、昨年10月の衝突開始以降、レバノンではヒズボラ戦闘員400人以上と民間人132人を含む600人以上が死亡している。