ニュース速報
ワールド

ザポロジエ原発で火災、ウクライナとロシアが互いを非難

2024年08月12日(月)20時48分

 ウクライナとロシアは11日、ロシアが占拠するウクライナ南部ザポロジエ原子力発電所の敷地内で火災を起こしたと互いを非難した。いずれも放射線量上昇の兆候はないとしている。写真は同原発。ウクライナで昨年6月撮影(2024年 ロイター/Alina Smutko)

[11日 ロイター] - ウクライナとロシアは11日、ロシアが占拠するウクライナ南部ザポロジエ原子力発電所の敷地内で火災を起こしたと互いを非難した。いずれも放射線量上昇の兆候はないとしている。

国際原子力機関(IAEA)によると、複数の爆発の後、原発の北側から黒煙が上がるのを目撃、冷却塔の一つが無人機攻撃を受けたという。

IAEAのグロッシ事務局長は声明で、攻撃の責任を特定はせず「このような無謀な攻撃は原発の安全を危険にさらし、事故のリスクを高める。今すぐに止めなければならない」と述べた。

事務局長は冷却塔の状況を調査するため「即時アクセス」を要請した。グロッシ氏の声明に対し、ロシア、ウクライナからの反応はいまのところない。

インタファクス通信によると、ロシア国営原子力企業ロスアトムのアレクセイ・リハチョフ最高経営責任者(CEO)は、約3時間の火災により冷却塔に「深刻な被害」をもたらしたとし、証拠を示さずウクライナの無人機による攻撃が原因だと述べた。

ウクライナの原子力企業エネルゴアトムは冷却塔の一つと別の設備が被害を受けたとし、ロシアの「過失」か放火が原因の可能性があると指摘。ロシアが冷却塔を軍事装備品や爆発物の保管に使用していると証拠を示さずに述べた。

ウクライナのゼレンスキー大統領はロシアが火災を起こしたと非難。一方、ロシアが任命したウクライナ南部占領地の当局者は、ウクライナ側が近隣の都市エネルゴダールを砲撃して火災を引き起こしたと主張した。

ロシア外務省のザハロワ報道官らはウクライナが故意に原発破壊を試み、「核の恐怖」を引き起こそうとしていると非難した。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ロシア、ウクライナ東部で前進 停戦交渉の可能性なし

ワールド

独仏英、イラン制裁へ ロシアへの弾道ミサイル供与を

ワールド

スペースXの有人宇宙船打ち上げ、民間初の船外活動実

ビジネス

EUの中国製EV追加関税、テスラなどさらに引き下げ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ニュースが分かる ユダヤ超入門
特集:ニュースが分かる ユダヤ超入門
2024年9月17日/2024年9月24日号(9/10発売)

ユダヤ人とは何なのか? なぜ世界に離散したのか? 優秀な人材を輩出した理由は? ユダヤを知れば世界が分かる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    クルスク州「重要な補給路」がHIMARASのターゲットに...ロシアの浮橋が「跡形もなく」破壊される瞬間
  • 2
    非喫煙者も「喫煙所が足りない」と思っていた──喫煙所不足が招く「マナー違反」
  • 3
    【クイズ】世界で最も競技人口が多いスポーツは?
  • 4
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレ…
  • 5
    トランプの勝利確率は6割超、世論調査では見えない「…
  • 6
    強烈な炎を吐くウクライナ「新型ドローン兵器」、ロ…
  • 7
    共和党の重鎮チェイニー父娘、党内の反トランプ派に…
  • 8
    伝統のカヌーでマオリの王を送る...通例から外れ、王…
  • 9
    米国内でのスパイ摘発が在米中国人社会に波紋...米当…
  • 10
    米大統領選でトランプ・バンス陣営を襲う「ソファで…
  • 1
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレイグの新髪型が賛否両論...イメチェンの理由は?
  • 2
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン」がロシア陣地を襲う衝撃シーン
  • 3
    国立西洋美術館『モネ 睡蓮のとき』 鑑賞チケット5組10名様プレゼント
  • 4
    【現地観戦】「中国代表は警察に通報すべき」「10元…
  • 5
    「令和の米騒動」その真相...「不作のほうが売上高が…
  • 6
    エルサレムで発見された2700年前の「守護精霊印章」.…
  • 7
    「私ならその車を売る」「燃やすなら今」修理から戻…
  • 8
    強烈な炎を吐くウクライナ「新型ドローン兵器」、ロ…
  • 9
    メーガン妃の投資先が「貧困ポルノ」と批判される...…
  • 10
    世界最低レベルの出生率に悩む韓国...フィリピンから…
  • 1
    ウクライナの越境攻撃で大混乱か...クルスク州でロシア軍が誤って「味方に爆撃」した決定的瞬間
  • 2
    寿命が延びる「簡単な秘訣」を研究者が明かす【最新研究】
  • 3
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンションは、10年後どうなった?「海外不動産」投資のリアル事情
  • 4
    電子レンジは「バクテリアの温床」...どう掃除すれば…
  • 5
    ハッチから侵入...ウクライナのFPVドローンがロシア…
  • 6
    年収分布で分かる「自分の年収は高いのか、低いのか」
  • 7
    日本とは全然違う...フランスで「制服」導入も学生は…
  • 8
    「棺桶みたい...」客室乗務員がフライト中に眠る「秘…
  • 9
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレ…
  • 10
    ウクライナ軍のクルスク侵攻はロシアの罠か
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中