独首相、不動産危機で新たな取り組み 12月に会議開催へ
ドイツのショルツ首相が不動産危機への新たな取り組みに乗り出している。写真はベルリンで7月撮影(2024年 ロイター/Liesa Johannssen)
Tom Sims John O'Donnell Matthias Inverardi
[フランクフルト 2日 ロイター] - ドイツのショルツ首相が不動産危機への新たな取り組みに乗り出している。景気後退のリスクが浮上していることや国内の選挙で極右が伸張する可能性があることが背景だ。
業界筋によると、政府は12月6日にハンブルグで政治家や省庁・業界関係者を集めた会議を開催し、住宅不足への対応を協議する。
同国では不動産価格の下落を背景に大手不動産会社の破綻や投融資の減少が起きており、住宅不足が悪化している。
昨年9月に開催された前回の同様の会議では、政府から数多くの提案が出されたものの、具体的な行動にはほとんどつながらなかった。
ドイツ不動産連盟のイーリス・シェーベル代表は「何かが起こりつつあることを示すものだ。首相がこの問題に取り組んでいるという強いシグナルを国民に送っている」と述べた。
不動産部門は国内総生産(GDP)の2割を占め、自動車部門より規模が大きい。業界関係者は不動産販売税の減税、建設コスト引き下げにつながる規則緩和などを求めている。
同国では低金利と景気拡大を背景に不動産ブームが起きたが、欧州中央銀行(ECB)がインフレ高進で急激な利上げを迫られ、2022年にブームに終止符が打たれた。
極右政党「ドイツのための選択肢」(AfD)は住宅支援政策を公約に掲げており、来年の連邦選挙を控えてショルツ連立政権の支持率が低下する中、年内の州選挙でAfDが勝利する可能性がある。
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