フィリピン6月CPI、前年比+3.7%に鈍化 利下げ観測強まる
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7月5日、フィリピン統計庁が発表した6月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.7%上昇と前月から鈍化した。光熱費の上昇が和らいだ。写真はフィリピンのパラニャーケにある市場で昨年4月撮影(2024 ロイター/Lisa Marie David)
[マニラ 5日 ロイター] - フィリピン統計庁が5日発表した6月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.7%上昇と前月の3.9%上昇から鈍化した。光熱費の上昇が和らいだ。
CPI上昇率の鈍化は5カ月ぶり。市場では8月の利下げ観測が強まっている。
CPI上昇率はロイターがまとめた市場予想(3.9%)も下回った。1─6月の平均は3.5%となり、フィリピン中央銀行の目標レンジ(2─4%)内に収まった。
中銀は6月のインフレ率が3.4─4.2%のレンジ内になると予想していた。
変動の激しい食品とエネルギーを除いたコアインフレ率は前年比3.1%で5月と同じだった。
中銀は過去6会合で政策金利を6.50%に据え置いている。コメの輸入関税引き下げでインフレ率が鈍化するとして、8月15日の次回会合では25ベーシスポイント(bp)利下げの可能性を示唆している。
コメの関税引き下げは今月発効する。2028年まで関税率を35%から15%に引き下げる。
中銀は声明で「インフレ見通しに対するリスクバランスは下向きにシフトしている」と表明した。
バンク・オブ・ザ・フィリピン・アイランズのリードエコノミスト、エミリオ・ネリ氏は今回の統計で8月の利下げが事実上固まったと指摘。
利下げすれば20年11月以来となり、主要国中銀より早く金融緩和に踏み切ることになる。