NATO、ウクライナ向け支援を米に代わり主導へ トランプ対策
6月12日、北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長(写真)は、ウクライナ向け武器供与などの支援の調整役を米国から引き継ぐ考えを示した。ブダペストで同日撮影(2024年 ロイター/Marton Monus)
[ブリュッセル 12日 ロイター] - 北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は12日、ウクライナ向け武器供与などの支援の調整役を米国から引き継ぐ考えを示した。NATOに懐疑的なトランプ前大統領が再選を果たした場合に備え、ウクライナへの軍事支援の仕組みを守る狙いがある。
翌日のNATO国防相会合を前に、ストルテンベルグ氏は「ウクライナ向け安全保障支援と訓練の調整をNATOが主導する計画を閣僚が承認することを期待している」と語った。
ただ、米国のNATOにおける影響力は大きく、ウクライナに武器の大部分を提供していることから、NATOが調整役を引き継ぐ効果は限定的との見方もある。
これに先立ち、ストルテンベルグ氏はロシア寄りでウクライナへの武器供与を拒否しているハンガリーのオルバン首相と会談。オルバン氏はハンガリーはウクライナ支援に関するNATOの決定を阻止しないが、関与もしないことで合意したと明らかにした。ハンガリーはウクライナへの資金提供や要員派遣の必要はないとの確約を得たという。