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米FDA長官、肥満症治療薬の非正規品流通に強い懸念

2024年02月29日(木)13時01分

 食品医薬品局(FDA)のカリフ長官(写真)は28日、ロイター・ニュースメーカーのインタビューで、需要が高い肥満症治療薬の非正規品がインターネット上で出回っていることに強い懸念を示した。写真は米メリーランド州シルバースプリングのFDA本部からオンラインインタビューに応じるカリフ氏(2024年 ロイター/Don Pessin)

Caroline Humer

[ニューヨーク 28日 ロイター] - 米食品医薬品局(FDA)のカリフ長官は28日、ロイター・ニュースメーカーのインタビューで、需要が高い肥満症治療薬の非正規品がインターネット上で出回っていることに強い懸念を示した。

肥満症治療薬はデンマークの製薬会社ノボノルディスクの「ウゴービ」と米イーライリリーの「ゼップバウンド」、「マンジャロ」が上位シェアを占める。FDAは今月、ウゴービとゼップバウンドの有効成分の非正規品を未承認で販売していたネット販売業者2社に警告書を送った。

減量目的で使用されることもあるノボルディスクの糖尿病治療薬「オゼンピック」の偽造品を服用後、重度の低血糖症で病院に搬送された事例がある。

カリフ氏はまた、個人の経済力や医療関係者とのつながりがあるかどうかで肥満症治療薬を入手できるかが決まるという「格差」の問題にも懸念を示し、非特権層のほうが治療をより必要としているかもしれないと指摘した。

ウゴービとゼップバウンドの価格は1カ月当たり1000ドル強に上る。

米非営利団体の従業員給付制度国際財団(IFEBP)によると、昨年3月時点で減量のための処方薬を保険給付の対象としている企業は全体の約5分の1にとどまっており、多くの人は全額が本人負担となる。

ロイター
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