ニュース速報
ワールド

韓国は「別の国」、戦争避けずと北朝鮮の金総書記

2024年01月16日(火)10時03分

1月16日、 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記(写真)は韓国との統一はもはや不可能だと述べ、年末の演説内容を繰り返した。平壌で15日撮影。KCNA配信(2024年 ロイター)

[ソウル 16日 ロイター] - 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記は15日、最高人民会議で演説し、憲法を改正して韓国を別の国と定めるべきだと表明した。また、北朝鮮は戦争を望んでいないが避けるつもりはないとの立場も示した。国営の朝鮮中央通信(KCNA)が16日に伝えた。

金氏は韓国との統一がもはや不可能というのが自身の最終結論だと述べ、韓国が北朝鮮の政権崩壊と吸収による統一を狙っていると主張した。

KCNAによると、南北統一や南北協力の観光事業などを担う3つの組織を廃止する。

北朝鮮は一連のミサイル実験を実施したほか、金氏が韓国を「主敵」と呼ぶなど韓国に対してより強硬な姿勢を示すようになっており、朝鮮半島を巡る情勢はこのところ一段と緊迫化している。

アナリストらは、北朝鮮外務省が今後は対韓関係を担う可能性がり、将来戦争が起こった場合、韓国に対する核兵器の使用を正当化することにもつながりかねないと指摘している。

KCNAによると、金氏は戦争が韓国を滅ぼし、米国に「想像を絶する」敗北をもたらすと強調。

朝鮮半島で戦争が勃発すれば、韓国を「占拠・奪還・統合」するという問題を憲法に反映させるべきだと述べた。

米首都ワシントンに拠点を置く北朝鮮分析サイト「38ノース」が先週公表したリポートによると、米国務省元高官のロバート・カーリン氏と核科学者ジークフリード・ヘッカー氏は朝鮮半島情勢について、1950年6月初め以来で最も危険との認識を示した。

「大げさに聞こえるかもしれないが、彼の祖父が1950年にそうしたように、金正恩氏が戦争をするという戦略的決断を下したと確信している」とした上で「金氏がいつ、どのように引き金を引くかは分からないが、危険性は北朝鮮の『挑発』について米韓日が定期的に行っている警告をはるかに超えるレベルに達している」とした。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

IT大手決算や雇用統計などに注目=今週の米株式市場

ワールド

バンクーバーで祭りの群衆に車突っ込む、複数の死傷者

ワールド

イラン、米国との核協議継続へ 外相「極めて慎重」

ワールド

プーチン氏、ウクライナと前提条件なしで交渉の用意 
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 3
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口の中」を公開した女性、命を救ったものとは?
  • 4
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 5
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 6
    ロシア武器庫が爆発、巨大な火の玉が吹き上がる...ロ…
  • 7
    足の爪に発見した「異変」、実は「癌」だった...怪我…
  • 8
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 9
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 10
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 4
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 5
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?.…
  • 6
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 7
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 8
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 9
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 10
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中