世界のはしか感染・死者数、22年に大幅増=WHO・米CDC

世界保健機関(WHO)と米疾病対策センター(CDC)は、2022年にはしかの感染者と死者が大幅に増加したとの最新報告を発表した。写真はジュネーブのWHO本部で2月撮影(2023年 ロイター/DENIS BALIBOUSE)
Jennifer Rigby
[ロンドン 16日 ロイター] - 世界保健機関(WHO)と米疾病対策センター(CDC)は、2022年にはしかの感染者と死者が大幅に増加したとの最新報告を発表した。
16日の共同発表によると、はしか感染者は18%増の約900万人、死者は13万6000人で、大半が子どもだった。
昨年大規模流行が確認されたのは37カ国で前年の22カ国から増加、アフリカが半分以上を占めた。
CDCの世界予防接種部門責任者は、はしか感染・死者の大幅増は「近年のワクチン接種率低下を踏まえると予想できなくはなかった」と指摘した。
新型コロナウイルス禍に伴いワクチンの定期接種率が世界的に低下し、戻りも鈍い。はしかは2回のワクチン接種で予防できるが、22年には2200万人の小児が1回目接種を、1100万人が2回目の接種を受けておらず、状況は前年からわずかに改善するにとどまった。
WHOははしかの流行を防ぐにはワクチン接種率が95%となる必要があるとしているが、低所得国の平均接種率は66%にとどまっている。
WHOは、はしかによる死亡リスクが最も高い低所得国の状況がコロナ禍以後全く改善していないと指摘。WHOで予防接種部門を統括するケイト・オブライエン氏は、こうした状況は各国や世界の保健関係者に警鐘を鳴らしているとした。